【上昇気流】(2022年6月10日)

骨を丈夫にする働きがあるビタミンD。大阪公立大の桑原晶子教授らのグループの研究で、これが不足する男性は動脈硬化のリスクが高まる可能性があることが分かった。きょうから兵庫県で開かれる栄養・食糧学会で発表される。

男女1177人を対象に体内のビタミンD量の指標となる物質の血中濃度を測定し、高血圧や高血糖など動脈硬化リスク要因との関係を調査した。この傾向が女性に見られないのは、動脈硬化に対する女性ホルモンの影響が考えられるという。

ビタミンDは一部のキノコや魚に含まれるが、紫外線を浴びた皮膚でも作られる。免疫力をアップさせるので、新型コロナウイルス対策として日光に当たることを盛んに勧める人もいた。

それにしても、なぜ女性ホルモンに動脈硬化を抑える働きがあるのだろう。原始時代から、男は狩りで外を走り回ってビタミンDを蓄えた。一方、家の中で子育てや家事をすることの多かった女性は、ビタミンDの不足分を何らかの形で補うようになったのだろうか。

もちろん、素人の人類学的空想にすぎないが、男女での違いがやはり気になる。人類は男女の生物学的な特徴を生かしながら役割分担をし、互いに支え補いながら発展してきた。

そんな有史以前からの営みを無視するジェンダー理論は、科学と言うより一種のイデオロギーである。ジェンダーという言葉を流行語感覚で安易に使う人々は、それに気付いていないようだ。

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