出生率の「西高東低」

昼寝する赤ちゃん

厚生労働省の人口動態統計によると、昨年の出生数は81万人で、過去最少を記録した。戦後、出生数の最多は「団塊世代」が生まれた1949年の270万人だから、その3分の1以下だ。一方、死者数は144万人。こちらは逆に戦後最多で、人口の自然減は60万人超。わが国の人口減少の深刻さが分かる。

出生率(全国1・30)を見ると、1・80の沖縄を筆頭に2位鹿児島、3位宮崎、4位島根、5位長崎の順。一方、ワーストは、1位東京(1・08)、2位宮城、3位北海道、4位千葉、そして5位に秋田、埼玉、神奈川、京都が並ぶ。これで一目瞭然、出生率は「西高東低」だ。

よく3世帯家族では子供の数が多いと言われる。女性が働いていても、子供の面倒を見てくれる祖父母がいるから、産みやすいということは考えられる。核家族が多く、住宅事情の厳しい大都市の東京や横浜・川崎を抱える神奈川には、そこらあたりが影響しているように思えるが、東日本の出生率は総じて低い。

なぜかと思い、調べてみても、専門家でもはっきりとは分からないようだ。まず思い浮かぶのは、気候の違いだが、戦前は今とは逆で「東高西低」。西高東低が顕著になったのは2005年以降だから、気候が要因ではなさそうだ。

国の子供政策の司令塔の役割を果たす新組織「こども家庭庁」について、今国会で審議中だ。その中で、野党の女性議員の気になる発言を聞いた。「『家庭』と聞くと、嫌な思いをする子供たちがいるから、名称を『こども庁』にすべきだ」というのである。

その発言の是非は置くとして、もし少子化の背景に「家庭」という言葉に「幸せ」をイメージできない若者の増加があるとすれば、それは東日本により多いということか。ワースト2位の宮城に生まれ、子供がいる家庭に幸せのイメージしか持たなかった筆者としては気掛かりな時代の変化である。

(森)

spot_img
Google Translate »