「紫陽花の雨を感じてをりし色」(山内山彦)。このところ、近所で見掛ける紫陽花がつぼみから花へと変わっていく様子が分かる。育つ土壌で青や赤など色が違うことはよく知られているが、場所によっても成長の差があり、既に咲き始めている花もある。
色の変化していく紫陽花を見ているうちに、アイスクリームやかき氷を連想した。スーパーに行くと、アイス関係のコーナーが目に入る。家族連れの母親が子供にせがまれている。無造作に買い物かごに入れる若いカップルもいる。
棚にはかき氷仕様のアイスもある。まだシーズンには早いが、かき氷は削りたての氷で食べるのが一番。色々なシロップが掛かっている情景が目に浮かんでくる。今では抹茶味などさまざまな種類があって、昔のかき氷しか知らないと戸惑うほど▼見た目にも、アズキや赤や黄色はいかにも涼しげな感じがする。気流子はイチゴ味やアズキなどは知っているが、レモン味の黄色はあまり食べた記憶がない。
黄色いシロップのかき氷は、つぼみが白から徐々に変わっていく紫陽花にどこか似ている。日ごとに少しずつ変化していく紫陽花を見ていると、梅雨入りが近いと思わされる。雨が続くと気持ちも沈みがちだ。
ロシアによるウクライナ侵攻の終わりの見えない日々が続いている。平和という晴れ間が遠く感じるのは、長い梅雨のシーズンを連想させる。しかし、明けない梅雨はない。それを信じたい。