高級野菜となったパプリカ オーストリアから

家人が週末用の買い物から帰ってくると、「全てが高くなったわ」と嘆く。聞くと、あのパプリカが3ユーロを超えたというのだ。赤、黄、緑の3色のパプリカ3個が入った袋は数日前は1・99ユーロ(約269円)だったが、今は一袋約3・49ユーロ(約472円)を超えた、というから家人が驚くのは当然だ。パプリカがいつの間にか高級野菜に仲間入りしたのだ。

それだけではない。パン類、ミルク、チーズ、卵といった基本的な食料品も軒並み7、8%から10%以上高くなった。4月の物価指数は7・2%上昇という。1981年以来の高インフレだ。

ロシア軍がウクライナに侵攻して以来、エネルギー価格(原油、天然ガス)はさらに高騰し、世界の穀倉地だったウクライナが戦場となり、小麦などを世界に輸出する湾岸都市マリウポリがロシア軍の攻撃を受け、黒海からアジア、アフリカへ小麦を輸出できない。国土が戦地となったウクライナ国民も大変だが、アフリカ、アジアでは小麦不足で飢餓に苦しむ所が出てきた。ウクライナ戦争は世界の食糧事情を窮地に陥れている。

エネルギーが高くなり、生産コストが高騰すれば、生産される商品の最終価格も当然高くなる。オフィス街では昼になると近くのレストランでメニューを取る。例えば、9・50ユーロの定食がいつの間にか10・50ユーロに値上がりしている。それでも食べる会社員はいる一方、自宅からサンドイッチなど弁当の持参も増えてきたという。物価高の現在、売り手も買い手も知恵を尽くして節約の道を探しているわけだ。(O)