心に残る先輩との交流

オンライン授業

大学で「対面よりオンライン授業が多い」「すべてオンライン授業」と答えた大学2年生が5割超に上ることが分かった。対面授業が少ないほど学生生活の充実感が低く、大学生活の大半をコロナ下で過ごす大学2年生で、その傾向が強く出ているという。(全国大学生活協同組合連合会が行った調査)

今の“ご時世”しかたないことかと思うが、勉学については、遠隔授業で“対面的”な感覚で授業する方が、教授と学生の間に親近感があるという報告もある。対面と遠隔のハイブリッド授業が現実的であろう。だが、学生同士の交流、クラブ活動などはコロナ禍で少なくなっているのは確かだ。

40年余り前の事だが、大学主催の「夜間歩行」という催しが秋ごろにあった。岡山理科大という理科系の大学で頭でっかちになりがちな学生に、たまには“ばかばかしい事”を、という学校側の配慮があったのだろう。40㌔を一晩かけて歩行貫徹するというもの。新入生が対象だったが、体育会系、文科会系、多種多様なクラブの先輩たちも参加していた。夜10時に大学を出発、中間地点の金山(標高500㍍)の中腹を通過、別ルートで大回りして6~9時間かけて帰るというもの。

中間点の金山を過ぎる頃には、頭がボーっとして何を話しているのか、自分でも分からなくなってくる。友人や先輩と、ついポロリと本音を話す時間でもあった。落語クラブの3歳年上の先輩から「御為(おため)ごかしをしない」という言葉を教えられた。その先輩いわく「人のためにやらせていただく」ということだと言う。

辞書によると、「御為ごかし」とは人の為を装って実は自分本位という意味。それの否定で先輩氏の言う意味になるようだ。大学時代に一番心に残った言葉が「御為ごかしをしない」だった。今時の学生たちにも、先輩や同僚との心の交流を忘れてほしくない。

(和)