新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家らから、マスクの着用について新見解が示された。屋外では周りの人との距離が十分に取れていない場合でも、会話が少なければ「必ずしも必要はない」という。これから夏に向かい熱中症のリスクが高まることを考慮したものだ。
以前から屋外では周りとの距離が取れている場合は必要ないとの見解が示されていた。しかし道を歩いていても、マスクをしていない人はまず見掛けない。マスク嫌いの気流子は時々外して歩くことがあるが、距離を置いて擦れ違う人の目がやはり気になる。妥協策として鼻の部分を出したりしている。
「密」になるわけでもない屋外でのマスク着用はあまり意味があるとは思えない。それでも、周囲の目を意識するのが多くの日本人の現実だろう。
飲食店では、マスクを外して飲食し、会話をする時はマスクをする「マスク会食」が推奨されている。それでもマスクを外して会話を続けがちだ。そして店を出ていく際にマスクをするのを時々見掛ける。「それ、逆じゃないの」と言いたいところだ。
今回の見解では、子供たちについて「一律に着用を求めない従来の対応に戻すことを考慮すべき時期」という。
未就学児が長期に着用すると、互いの表情が分かりにくくなり、発育への悪影響があるとの医師らの指摘がある。これは大きな盲点と言えよう。大人も子供も、マスクへの安易な心理的依存からは脱したい。