【上昇気流】(2022年5月15日)

お茶の葉

日本人にとっては欠かせないお茶。かつては飲食に付き物だったが、今ではコーヒーで代用する人もいる。茶には俳句の季語にあるように「新茶」と呼ばれる時期がある。4月から5月ごろ。

1年に3~5回収穫できるので、その年の最初に摘まれた茶を「新茶」と呼び、別に「一番茶」とも。「新茶を飲めば1年間、健康に暮らせる」などとも言われる。

初物を尊ぶことでよく知られているのは江戸時代。「目には青葉山ほとゝぎすはつ鰹」(素堂)の「はつ鰹」が有名だ。稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』によれば「主に鎌倉、小田原あたりで捕れたものを運んで売り歩き、江戸っ子は競って高価なはしりを賞味した」とある。

それに対して、コーヒーの初物というのは寡聞にして知らない。コーヒー豆がほとんど輸入品ということもあるかもしれない。コーヒーの旬は豆の収穫から数カ月後というが、生産国には北半球の国も南半球の国もあるので、それぞれ収穫の時期は違ってくる。

気流子の幼少時、よく休みの日に母方の実家に行って、祖母の入れてくれるお茶を飲んだことを思い出す。縁側に座って庭のニワトリの走り回る姿や辺りを行き交うトンボやチョウ、ハチなどを眺めていた。平和な時代だった。

お茶にしてもコーヒーにしても、平和なひと時を味わうものである。ウクライナの人々がゆっくりとお茶やコーヒーを楽しめる平和が、一日も早く到来することを願ってやまない。