
5月も半ばになると、田には早苗が植えられ、山々は若葉と常緑樹の緑がまだら模様となって列島全体が青春の趣を呈する。「若者の季節」である。
半世紀以上前の1968年5月にはフランスで大学生らによる「カルチエラタン騒動」があった。33年前の1989年5月には中国の若者が民主化を求めて北京の天安門広場を埋め尽くした。折しもペレストロイカを進めるゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が訪中し、これを契機に6月4日の「血の天安門事件」に至った。
そんな若者の運動は昨今、聞かない。だが、内に秘める思いは知れる。沖縄県は明日、本土復帰50周年を迎えるが、教師団体の県立高校2年生へのアンケート調査では、「一番大きな問題」として「基地問題」と答えた生徒は10年前の58%から39%へと大幅に減り、米軍基地の「全面撤去」は9%にすぎなかった。
リベラル・メディアが伝える「反基地の沖縄」とはまるで違う若者の意識だ。産経新聞の全国世論調査では、防衛費増を求める回答が18~29歳で64・6%、30代で68・7%に上る(4月18日付)。それが高齢世代ほど下がり、最低は70歳以上だというから「平和ボケ世代」を思わせる、
連合国軍最高司令官マッカーサー元帥いわく「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」と。役割を終えたという意味だ。高齢世代にも通じる。
新たに役割を担う若者にはこう言いたい。「もっと過激に日本の未来を語るべし」。