【地球だより】繰り返すな ゲルニカの惨禍!

スペインから

スペイン内戦中の1937年、反乱軍を支援するドイツ空軍が、北部バスク地方の小都市「ゲルニカ」を爆撃してから今年で85年になる。この戦争の凄惨(せいさん)さは、スペインの天才画家パブロ・ピカソの描いた傑作「ゲルニカ」により、あまねく世界に知られることになった。

ゲルニカ市では毎年4月26日、爆撃による犠牲者への追悼行事が行われる。今年はロシアのウクライナ侵攻と重なったことから、「繰り返すなゲルニカの惨禍」をスローガンに、バスク州首相はあいさつでロシアの不当な侵攻を非難した。追悼式にはウクライナ大使館から1等書記官らが出席し献花を行ったほか、ウクライナからの避難者やゲルニカ爆撃時の生存者も献花に加わった。

この日に先立つ4月6日、ゼレンスキー大統領はスペイン下院議会でビデオ演説を行い、「われわれは今2022年4月にいるが、あたかも1937年の4月にいるようだ」とゲルニカの惨禍に触れた。形態こそ違えど、ゲルニカ爆撃と首都キーウ(キエフ)近郊ブチャでのロシア軍の虐殺行為を重ね合わせているようだ。

どちらのケースも国際的な非難が高まると、「捏造(ねつぞう)だ」「挑発だ」と強弁し、ゲルニカ爆撃はバスク民族主義者やアナキストがやったことだ、ブチャの殺戮(さつりく)はウクライナの自作自演だと吹聴し、実行者は責任逃れを図っている。(T)