消えた「花まつり」の行事

灌仏会(花祭り)の花御堂と誕生仏(Wikipediaより)

大型連休もあっという間に終わってしまった。その最後の日曜日となった8日は何の日か。子供でも分かる(子供の方がよく分かる)ような問いだ、5月の第2日曜日だから母の日。街を歩くと、店頭の宣伝やフラワーショップで赤いカーネーションや、バラの花束を見掛けた人も少なくないのではないか。

だが、それは一面の真理。と言えば大げさだが、8日は旧暦でいえば4月8日なので、お釈迦様の誕生日でもある。花まつりとして祝われているが、現在はあまりなじみのない人が多いかもしれない。

筆者の田舎は四国にあるが、小学1、2年の頃までは、町の真言宗のお寺を中心に、花まつりが盛大に祝われていた。白いゾウの形をした屋台を皆で引いて、町中を行進しているのを見た記憶がある。白いゾウの屋台の上には子供が乗っていて、その屋台の綱を引いたら、紅白のお餅か饅頭(まんじゅう)を“おみやげ”にもらったりもした。

ネットでざっと調べてみたが、花まつりの日に白いゾウの台車を引く行事が各地にあることは確かだが、その台車に子供が乗っている様子は出てこない。それでも、大人たちの笛の音に合わせて、白装束の子供がゾウの屋台の上で、トコトンと小太鼓をたたいていた音の記憶が確かにある。

その行事がいつごろから行われ、どうして消えてしまったのかは知らない。確かなのは筆者より5年若ければ、その行事があったことすら知らないだろうということだ。

当時はまだ、田舎では旧正月も祝っていた。お隣の韓国や中国、台湾のようにアジアでは今も旧正月を盛大に祝う国が多いが、日本は西暦一辺倒になってしまった。2度も「新年」を迎えるのは浪費かもしれない。が、長年積み重ねられてきた伝統の重みは効率だけで切り捨てられるものではないはずだ。

(武)