【上昇気流】(2022年5月8日)

ツバメ

ゴールデンウイークでは、日本各地の観光地が人であふれていたことが報道された。そのせいなのか、東京郊外の気流子が通勤に使っている道がかなり空(す)いていた。人の流れも少なく、車の往来もそれほどなかった。

「あそぶともゆくともしらぬ燕かな」(去来)。普段は車が擦れ違う場合、狭い道の端に寄らなければならないほどだ。それがないので、ゆっくりと歩いていると、ツバメが往来し、店先の軒下をくぐり戻っていくのを見掛けた。

子育ての最中で、雛(ひな)の鳴き声がする。季節の風物詩であることを実感。ただ、例年に比べてツバメの姿があまりないのが気になる。昔から益鳥と言われて大切にされてきたが、巣が年々減っているように感じる。

日本人とのゆかりが深いツバメは、奈良時代から知られ、ツバメのほかツバクラメなどと呼ばれていた。平安時代の清少納言の『枕草子』には、オウム、ホトトギス、クイナ、シギ、都鳥、ツル、サギ、ウグイスなどの鳥類についての記述はあっても、ツバメへの言及はない。

オウムに関しては、人の言葉をまねるということで「いとあはれなり」と述べている。清少納言はツバメを見掛けたことがないのか。

その辺は分からないが、枕草子では主に鳥の鳴き声や姿の良さを挙げているので、ツバメの素早い飛び方や黒い燕尾服のような姿が美意識に合わなかったのかもしれない。ツバメの子育てから思い出したが、きょうは「母の日」でもある。

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