大分県立美術館で「原点から現点」展

万物の摂理示す「対極」

コシノジュンコさんの活動の全貌紹介

展覧会の関連イベントで出演者たちと並ぶコシノジュンコさん(中央)

「コシノジュンコの創作の本質は、服飾とそれをまとった人が織りなす姿を通じて、宇宙や自然、人間など、我々を取り巻く万物の理(ことわり)、そして、そこに宿される真・善・美を指し示そうとするところにある」

22年連続でパリコレに参加し、世界各地でファッションショーを開催する世界的デザイナー・コシノジュンコさん。これまでの活動の全貌を紹介する過去最大規模の展覧会「原点から現点」が、大分県立美術館で開かれている。

同展は、コシノさんの創造の原点でもある大阪・岸和田の高校時代に描いたデザイン画から紹介。新人デザイナーの登竜門とされる装苑賞を19歳で受賞した当時の作品や、世界の万物の摂理を示した「対極」というコンセプトなど、世界各国のショーで披露したもの約230点を展示した。

万物の摂理を示した「対極」がコンセプトの展示大分県立美術館

会期中には、コシノさんが登場するさまざまな関連イベントも開かれている。4月23、24日に同館で行われた和太鼓集団「DRUM TAO(ドラム・タオ)」との公演やトークショーには、それぞれ約400人が集い、盛り上がりを見せた。

トークショーでは、同展のポスターともなった「対極」のコンセプトについて、「1980年に妊娠した際、お腹の丸い形をとても不思議に感じたのが始まりだった。その時から丸に夢中になり、神様が創った完璧な形だと気づいたことにうれしくなった。それは全て自分自身の体験から得たもので、運命的な出会いだった」との誕生秘話も明かした。

冒頭の言葉は、大分県立美術館の宇都宮壽(うつのみやひさし)・学芸企画課長がコシノさんの創作について解説したものだ。近年では、服飾デザインの領域を超え、インテリアや食、花火のデザインから、オペラ、バレエダンスのプロデュースなども創造の対象とし、常に新たな境地を切り開いている。

「経済や情報の格差、環境、ジェンダー、パンデミックなど、様々な課題を抱える現代社会において、今一度、私たちに宇宙や自然、人間の真の姿とそこに秘められている力や美に気づかせ、鼓舞させる」

同美術館の関係者は展覧会開催の意義について、そう強調する。5月29日まで。

(竹澤安李紗)