米どころの回帰なるか タイから

世界の米どころタイ。

田園を旅すれば、黄金色に実ったイネを収穫している横で、水を張り田植えされたばかりの緑のイネが風になびいていたりする。

3期作が可能な熱帯地方特有の黄と緑のパッチワークのような田園風景だ。

かつてタイ米は、輸出量世界一を誇っていた。それがタクシン派のインラック政権時代の失政で、インドやベトナムの後塵(こうじん)を拝するようになった。

だが、再びタイ米が脚光を浴びるようになってきた。契機となったのはウクライナ危機だ。ロシアとウクライナ両国の小麦供給が大幅減少を余儀なくされ、代替穀物としてタイ米が輸出量を伸ばしているのだ。

特に欧州、中東向けが好調だ。タイ米の人気が高まれば、価格は上昇することになるが、タイ通貨バーツ安がカウンターパワーとして働き、恒常的人気を維持している格好だ。

タイのコメ輸出業界団体によると、今年度の輸出目標をこれまでの700万トンから800万トンに引き上げる方向で検討を始めた。

戦争が長引けば、食料価格引き上げ圧力が高まることになるが、タイでは往年の栄光が取り戻せるかどうかが懸かっている。

なおタイ米は、細く長いインディカ米だ。しっとりしたジャポニカ米と違ってぱさぱさ感が強いが、その分、チャーハンなどで好感度は抜群だ。また、香りを重視しているのもタイ米の特色で、香りも味の一部となっている。(T)