【上昇気流】(2022年5月6日)

石川県七尾市の青柏祭(Wikipediaより)

京都の祇園祭、岐阜県高山市の高山祭などユネスコ無形文化遺産に登録されている「山・鉾・屋台行事」33件の一つ、石川県七尾市の青柏祭の曳山行事が3年ぶりに行われた。高さ12㍍、重さ20㌧もあり、日本一の大きさを誇る3基の山車は「でか山」の愛称で親しまれている。

5月の3、4、5の3日間行われ、最終日は規模を縮小した。気流子もでか山が市街を巡るのを間近に見、新鮮な感動を覚えた。

これは巨大で重量のあるものが動くことの感動で、まさに山が動く感覚だ。地面からもその振動が体に伝わる。原初的なパワーを感じるのである。

青柏祭の曳山行事は、京文化の移植に熱心だった能登守護の畠山義統(よしむね)が、京都の祇園祭にならって文明5(1473)年、奉納したのが始まりという。筵を張った地肌の見える山車は、豪華な祇園祭の山鉾やからくり人形が見せ場の高山祭などと比べ、素朴ではあるが、扇型に開いた独特の形はなかなか豪壮だ▼それにしても日本人は山車が好きである。人々が力を合わせて曳き動かすことで感じる一体感と達成感がいいのだろうか。行事は、山車の組み立てから運行のほかに、お囃子(はやし)、木遣(きや)りなどさまざまな役割の人がいて成り立つ。

それを毎年欠かさず行ってきたからこそ、継承されてきた。新型コロナウイルス禍による中断は伝統継承を危うくさせる。日本の山車文化の元祖、祇園祭も今年、時間を短縮し感染対策を取りながら3年ぶりに行われる。