新型コロナウイルスの感染拡大で、リスクの高い首都圏から地方へ移住する動きが若い世代を中心に続いている。これが確かなトレンドになるのかどうか注目されるが、NHK・BSでこの4月から「いいいじゅー!!」という新番組が始まった。
最近地方移住した人たちの密着ドキュメントで、静岡市の山里でワサビ作りに励む男性やその妻、広島県江田島市に移住しIT企業を営む若き社長らが紹介された。前者は就農、後者は憧れの田舎暮らしと仕事の両立が移住の動機だ。
地方移住を考える人は確実に増えているが、いざとなると簡単ではない。仕事はあるのか、地域コミュニティーにどう溶け込んでいけばいいのかなど不安も多い。番組では、移住者がこうした課題に対処していく姿を伝えている。
例えば作り手がなく栽培を止めたワサビ田があっても、地元の人はよそ者には簡単に貸してくれない。「ワサビ王」を夢見る男性は、信頼を得るためにワサビ漬け作りを手伝うなど地道な交流を続け、ようやく借りることができた。
元気な働き手や、若い人たちのIT技術やセンスによって地域が活性化していく様も興味深い。
番組では地域についての情報コーナーもある。江田島ではオリーブ栽培が盛んで、江田島産のオリーブオイルがギリシャのコンテストで最高ランクを受賞したことなども紹介された。いいものがたくさんある地方。それを生かすためにも若い力が求められている。