【上昇気流】(2022年4月22日)

ウクライナ国旗

青と黄の2色から成るウクライナ国旗は、今や日本人にもよく知られるようになった。青は空、黄は麦畑を表すというが、ウクライナのひまわり畑を想像する人もいるだろう。

戦争で引き裂かれた夫婦をマルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンが演じた名作映画「ひまわり」(1970年公開)は、ウクライナでロケが行われた。

ロシアのウクライナ侵攻で、この映画があちこちで再上映されている。チケット収入の一部をウクライナ支援に充てる映画館も。

面白いことに、在ウクライナ日本大使館のホームページの「エピソード集 映画編」によると、日本で販売されているビデオの解説書には「ひまわり畑はモスクワのシェレメチェボ空港の近くだった」と書いてある。

映画が撮影され、ビデオが販売された旧ソ連時代、ウクライナはソ連の一共和国であり、外国人はクレムリンから80㌔以上離れてはいけないという規則があったため、「多くの観光客がウクライナに押し掛けることを当局が恐れたためかも」とホームページは解説。ひまわり畑の中でソフィア・ローレン扮(ふん)する妻が老婆に夫の消息を尋ねるシーンで、その老婆はウクライナ語で答えていると結んでいる。

ウクライナが独立し、自由にロケ地を訪ねることができるようになったが、今は戦火の中にある。青い空の下、見渡す限りのひまわり畑を、心置きなく眺めることのできる日が早く来ることを祈りたい。

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