大人気の「台湾和牛」鍋 台湾から

台湾の人々に人気の食事といえば鍋料理である。中国語で「火鍋」と書き、火鍋レストランは一年中賑(にぎ)わっている。

最近開店した火鍋レストランが大きなニュースになった。李登輝元総統が晩年,情熱を注いだ「台湾和牛」の生産が軌道に乗り、ついにレストランで提供されることになったのだ。李元総統は牛肉が大好物だったが、多くを日本や米国、オーストラリアからの輸入に頼っている状況を憂いていた。特に、日本の和牛は台湾でも高値で取り引きされており、台湾の人々にもっと安価で栄養価の高い牛肉を食べてほしい、という願いから「台湾和牛」の生産を決断したのだ。

2016年頃から調査を始めると、幸い台湾には日本統治時代に内地から持ち込まれた和牛種の子孫が交配されずに少数残っていることが判明した。李元総統は即座にこの牛たちを買い取り、東海岸の花蓮で生育するとともに、日本の研究者による支援も受け、ついにレストランで提供される日を迎えたのだ。

台北市内に開店したレストランは数カ月待ちの大人気だという。筆者は幸いご招待を受けたが、サシが程よく入り、ジューシーで噛(か)み応えのある肉は、台湾の人々の好みに合うのではないかと直感した。

一昨年に李氏は亡くなり、台湾和牛の完成を見届けられなかったのは唯一残念なことだが、李氏の生家の名前から「源興牛」と名付けられた台湾和牛が日本に逆輸入されて人気を博す日を心待ちにしていることだろう。(H)