
NHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)「ちむどんどん」が11日スタートした。日本復帰する前に沖縄やんばる地域で生まれた主人公は美味(おい)しいもの好き。東京の人と出会い、復帰に合わせて西洋料理を学ぶために上京し、やがて沖縄料理の良さに気付くというストーリーだ。
第1週の副題は「シークワーサーの少女」。シークワーサーは言わずと知れた沖縄を代表する柑橘(かんきつ)類だ。口にしたことのない人はあまりのすっぱさに度肝を抜かれるかもしれないが、暑い夏に飲むシークワーサージュースは本当に美味しい。
さて、2001年に初めて沖縄が舞台となった朝ドラ「ちゅらさん」ではゴーヤーチャンプルーやサーターアンダギーが紹介され、これがきっかけに全国区となった。
ゴーヤーチャンプルーでよく使われるポークランチョンミート(別名スパム)はアメリカ統治下の影響で普及した加工ミートだ。ゴーヤーチャンプルーだけでなく、豆腐チャンプルーや味噌汁、ポーク卵おにぎりなど用途は多い。また、タコスのトルティーヤ(皮)をごはんで代用するタコライスも米統治下の影響を受け、地元で広がった沖縄のソウルフードだ。
ごちゃまぜを意味する「チャンプルー」の料理や文化を評価しない人も多いのは事実だが、唐(中国)と米国の影響を受けながら日本に復帰した沖縄。すべてを受け入れ、それをうまい具合に混ぜ合わせている文化はやはり沖縄らしい。
沖縄料理は、こうしたチャンプルー料理などの庶民料理と、琉球王国時代に各国からの客人をもてなすために作られた「宮廷料理」の総称だが、「ちむどんどん」ではどんな料理が登場するのか、朝の楽しみが増えた。(T)