【上昇気流】(2022年3月29日)

坂本花織選手

フランスのモンペリエで開かれていたフィギュアスケート世界選手権で、男子の宇野昌磨選手、女子の坂本花織選手がそろって初優勝を果たした。日本の男女の同一大会制覇は2010年大会の高橋大輔選手と浅田真央選手、14年の羽生結弦選手と浅田選手に続き3度目。久々の快挙を喜びたい。

今大会はロシア選手が不参加で、北京五輪金メダルのネーサン・チェン選手(米国)がけがで欠場したが、宇野、坂本両選手は圧巻の演技を見せてくれた。堂々たる新王者の誕生と言っていい。

宇野選手は果敢な攻めの滑りを見せ、自己ベストを更新する世界歴代3位の合計312・48点をマークした。ジャンプは安定感とスピードが増し、フリーの「ボレロ」は魂のこもった演技で観客を魅了した。

坂本選手は4回転ジャンプなどの大技に頼らず、出来栄え点(GOE)で確実に高得点を積み上げていった。重圧の中でフリーに臨んだが、ほぼミスのない完璧な演技だった。

日本のファンは、2人がこつこつと努力を積み重ねてきたことを知っている。努力が報われるのを見ると、どこかで観(み)ていてくれている存在があると思わせる。それを競技の種類によって、スケートの神様とか野球の神様とか言ったりする。

ロシアのウクライナ侵攻は、2度の世界大戦を経て人類が築いてきた平和のための国際ルールを無にしようとするものだ。平和と人道への努力が報われることをわれわれは証明しなければならない。

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