【上昇気流】(2022年3月25日)

ロシアのウクライナ侵攻から1カ月が経過した。当初ロシア軍が首都キエフを制圧するのは時間の問題とみられていたが、ウクライナ軍の反撃も始まっている。ウクライナ国防省はキエフの西約50㌔にあるマカリフを奪還したと発表した。

ウクライナがここまで頑強に抵抗するとは、ロシアはもちろん西側も予想しなかった。その徹底抗戦の勇気には世界が感銘を受けている。

両国の攻防が長期化するとの予想も出ている。既にかなりの数に上っているとみられるロシア兵の戦死者が増え続ければ、プーチン大統領の足元も揺らいでくるだろう。一方、戦況打開のためにロシアが生物・化学兵器を使用する可能性も高まっている。

ロシアはシリア内戦でサリンを用いたアサド政権を支援してきた。その兆候を察知し、バイデン米大統領は再三、警告している。ゼレンスキー・ウクライナ大統領は日本の国会でのオンライン演説で、ロシアがサリン攻撃を行う危険を訴えた。

オウム真理教による地下鉄サリン事件を体験した日本人は、サリンによるテロがいかに忌まわしいものかを知っている。ゼレンスキー氏の訴えは、誰よりも日本人に響くものだ。

ウクライナ軍の善戦を称賛する一方、抵抗が激しいほどロシアの化学兵器使用の危険が高まる。それを阻止する方策を練るとともに、もしロシアが使用に踏み切った場合、西側諸国はどう対応すべきか現実的に考えなければならないところまで来ている。

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