地球だより
スペインの通信社「ヨーロッパ・プレス」に、懐かしい話題が掲載されていた。早死にを避け長寿を願うためには、1日にどのくらい歩くのが最適かというものである。日本では、国民の運動不足が叫ばれ始めた頃、歩け歩け運動が推奨され、1万歩がその目安とされた。
同通信社の結論は、65歳以上の高齢者では6000~8000歩、それ未満の層では8000~1万歩だった。世界の研究機関や大学の調査による科学的根拠を基に独自の検証をした結果、「1日1万歩」の必要はないようだ。
周囲の人々に思いを巡らせてみると、歩くことによりダイエットと健康維持・促進を兼ねて、常に歩数計を持っている友人が複数いる。例えば、ゴルフに行くと、その都度、「お前は何歩だった」と尋ねてくる人も。また、女性の知り合いにも歩け歩けを実践している人は多く、歩くことが最大の健康法だと心得ているようだ。男女を問わず、歩くことの効用を否定する人は小生の周りには見当たらない。
米紙ニューヨーク・タイムズを引用した週刊誌『東洋経済』の記事でも、1日1万歩は必要ないことでは同じ認識だが、具体的な例として、1日に4400歩の70台女性は、2700歩の女性よりも早期死亡のリスクが40%低下し、5000歩以上の女性は、さらにリスクは低下した。だが、7500歩の女性の効果は横ばいだとしている。“過ぎたるはなお及ばざるが如(ごと)し”か。(T)