【上昇気流】(2022年3月15日)

11日、ウクライナ中部ドニプロで、ロシア軍の攻撃を受けて破壊された建物=ウクライナ非常事態庁提供(AFP時事)
11日、ウクライナ中部ドニプロで、ロシア軍の攻撃を受けて破壊された建物=ウクライナ非常事態庁提供(AFP時事)

ウクライナに侵攻したロシア軍が、シリアで傭兵(ようへい)を募集している。ロシア側は1万6000人の応募があったと発表した。ウクライナ軍の激しい抵抗でロシア軍に想定を超える戦死者が出ていることが背景にあるようだ。

キエフでの市街戦のために戦闘経験の豊富なシリア傭兵を使おうという考えもあるだろう。一般市民が多数残るキエフが、どういう惨状に陥るかを想像すると憂鬱(ゆううつ)になる。

シリア内戦で使われた化学兵器による攻撃も懸念されている。国連安保理でロシア代表が、米国がウクライナで生物兵器の開発を進めていたなどと、根拠も示さずに非難した。自分たちが使う時の口実づくりではないかと米側は警戒している。

ロシア軍は病院への砲撃など既に人道に反する戦争犯罪を犯しているが、化学兵器を使用した場合はNATO(北大西洋条約機構)も軍事介入を検討せざるを得なくなるとの見方がある。

化学兵器が使われれば、ポーランドのドゥダ大統領は「何をすべきか真剣に考えなければならない」と述べ、NATOの方針転換もあり得るとの見解を示した。これに対し、バイデン米大統領はロシアが「厳しい代償を支払うことになる」と警告しているが、「厳しい代償」では漠然としていて迫力に欠ける。

一般教書演説で、ウクライナの人々の英雄的な戦いを讃(たた)える一方、不介入の方針を強調したのと似ている。これと比べ、いざとなれば戦うという姿勢は遥(はる)かに抑止効果がある。

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