19歳最年少、藤井聡太五冠の謙虚で重い言葉

「藤井聡太 10代初の五冠/将棋/4連勝で王将奪取」こういった見出しが新聞各紙で掲載された。19歳とは思えぬ落ち着いたコメントも大したものだと感心させられる。

将棋の藤井聡太四冠(勝って五冠)(19)=竜王、王位、叡王、棋聖=が対戦した相手は「将棋界の魔太郎」こと渡辺明王将(敗れて二冠)(37)=名人、棋王=。先手で角道を開け矢倉に誘導、練りに練った作戦をぶつけてきた。一方、バランスを重視した藤井四冠は、急戦でも持久戦でも対応できる雁木(がんぎ)の陣形で応じた。

これまで五冠を達成したのは故大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人(74)=現役引退=、羽生善治氏(51)の3人。藤井五冠は羽生九段の22歳10カ月の最年少五冠の記録を28年ぶりに更新した。AIと既存の棋譜を学ぶ“ハイブリッド”の研究は、これまでの棋士にないもの。勉強・研究の姿は“超新人類”とも言えるだろう。

終局後、藤井五冠は「終わったばかりなので(熟考、間が空いて)まだ実感がないところがある。7番勝負の長い持ち時間で改めて勉強になることが多かった。今後に生かしたい」「自分の実力を考えると、ここまでは出来過ぎかなと思う。今後、その立場にふさわしい実力を付けていければと思います」と謙虚に話した。

藤井五冠が幼少期に遊んだスイス生まれの玩具「キュボロ」は想像力・発想力が育まれると話題になった。また、藤井家の居間の本棚にはたくさんの本が並べられ、本を手に取り読んでいた。中学・高校時代には、狭い世界に閉じこもってはいけないと感じ、時間があれば、新聞を手に取り、国際情勢や論評を熱心に読んでいたという。

AIにはまねのできない、重い言葉を紡いだり、対戦相手への気遣いある言葉の背景には、本や新聞から得た知識の蓄積があるのだろう。(和)

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