上昇気流(2022年2月13日)

まだ春ではないということを告げるように、先日雪が降った。前日には大雪の天気予報が出ていたので、急遽(きゅうきょ)仕事を早めに切り上げて帰宅した。夜、家路をたどる時、ほっとしたのを覚えている。大雪ではなかったが、雪が東京を覆ったのは間違いない。

雪が降る中、JR新宿駅前を歩く人たち=10日午後、東京都新宿区

「当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦」と言われるのは占いだが、天気予報もかつてはそんな感じだった。ただ、長年の観測でデータが積み重なっているので、最近はそう大きく外れることはない。

天気予報をチェックするのが毎日の習慣となっている。気流子はステイホームで巣ごもり生活なのでそれほど必要がないが、妻が外出が多いヘルパーをしているから。

そういえば、従来の日本人のあいさつでは「きょうは良い日和で」などと天気を話題にすることが多い。当たり障りがないあいさつではあるが、それだけ天候への関心が高かったのだろう。

もう一つ言えば、稲作民族だったので、作物の生育に影響する天候を重視してきたからかもしれない。日本は自然の恵みが多いが、台風をはじめとした災害もあったから無関心ではいられないこともある。

天候は稲作ばかりではなく、戦争の行方も左右したのが過去の歴史。織田信長軍と今川義元軍が戦った桶狭間の決戦では、雨が大きな要因になったことが知られている。北京冬季五輪など冬に開催されるスポーツの大会でも自然の影響は無視できない。だが、それもまた真剣勝負の醍醐味(だいごみ)である。

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