上昇気流(2022年2月11日)

「全部を出し切った」。熱戦の続く北京冬季五輪で、94年ぶりとなる大会3連覇を狙った羽生結弦選手。結果は4位に終わったが、悔いはないといった表情が印象に残った。

ショートプログラムではまさかの8位。それでも、抜群の安定感と強さで金メダルを獲得したネーサン・チェン選手(米)は「これからも彼はどうあれ、常に真のフィギュアスケートのアイコンであり続けるでしょう」と敬意を表した。

フィギュア男子SP、羽生結弦は出遅れ8位
フィギュアスケート男子SPで演技を終えた羽生結弦=8日、北京(時事)

フリーでは「天と地と」の曲に乗って、世界で誰も成功していない4回転半ジャンプ(クワッドアクセル)に果敢に挑戦した。戦国武将、上杉謙信の美学や価値観と自分の考え方が「少し似ているのかな」と大会前に語っていた羽生選手。その美学を貫いた。

皆が固唾を呑(の)んで見守った4回転半ジャンプは、転倒して成功しなかった。しかし、国際スケート連盟の公認大会で史上初めて4回転半ジャンプと認定された。インターネット上は「人類の誇り」「最高のアスリート」などの賛辞で沸いている。ジャンプを自身のスケートの命と考える羽生選手の美学は決して報われなかったわけではない。

フィギュアの採点は複雑で素人にはなかなか分からないが、演技の美しさは大体共通して感じられる。特にジャンプの美しさでは、羽生選手が世界のトップクラスであることは変わらない。ただ羽生選手には、やはり初めて4回転半ジャンプを成功させた選手として、もう一つの伝説を残してほしい。

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