上昇気流(2022年2月3日)

29日、米ニューヨークで、暴風雪の中を走る自動車(AFP時事)

米国北東部のニューヨーク州やマサチューセッツ州では、急速に発達した「爆弾低気圧」によって暴風雪に見舞われたという(小紙1月31日付)。3500便以上の航空便が欠航し、ボストン市では大雪非常事態を宣言。

降雪量は60㌢に達する恐れがあった。被害が最小限にとどまるようにと祈るばかりだ。冬には雪に包まれる土地で、昔からそうだったのだろう。作家N・ホーソンに「雪少女」(1850年)という小説がある。

雪が積もった後、幼い少女と弟は母親にねだって家の外へ飛び出していく。2人は新しい雪で少女の像を作り上げる。母親は針仕事をしつつ、窓越しに見ている。しばらくしてまた見ると、2人は少女と遊んでいる。

それは雪少女なのだが、母親は近所の娘だと思って、ごごえた3人を暖かい家の中に入れる……。最後は溶けてしまうという幻想的な物語だ。日本でも10日ほど前、日本海側で大雪だったが、こちらで登場するのは雪女。

『季題別現代俳句選集 平成九年』(俳人協会編)で見ると、雪女の句は42句あり、女性の作者が多い。「雪をんな人恋ふ紅をさしにけり」(大嶋洋子)、「雪をんな舞い上がらする風の笛」(今井すえ子)など。

女性の気持ちを代弁させたり、幻のようであったり。雪女の説話は昔から各地にあり、冬の生活の厳しさ、暗さを伝えてきた。が、現代人の思い描くその像は、雪少女のように宿命の重さから解放されつつあるようだ。

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