上昇気流(2022年1月24日)

大相撲初場所は関脇御嶽海が優勝した。仕切りの時間の間、本来であれば観客の大歓声のところ、静まり返っていたのは異様だったが、注視のほどは分かった。

御嶽海、照ノ富士破り3度目の優勝、大関昇進へ
優勝し、日本相撲協会の八角理事長(右)から賜杯を受け取る御嶽海=23日、東京・両国国技館

土俵上の話題は事欠かなかった。53代横綱琴桜の孫の琴ノ若と、48代横綱大鵬の孫の王鵬との対戦もその一つだ。この両力士を含め阿炎、宇良などが急成長。若手、個性派、モンゴル勢が力をつけ上位陣を脅かす熾烈(しれつ)な戦いは、毎日見応えがあった。
新型コロナウイルス禍の影響が出始めた2020年、相撲界でも感染が続き、20代の現役力士が亡くなった。大相撲はこの年の春場所、無観客で開催。夏場所は中止した。
この間、力士に感染の疑いがあれば即座に休場させる果敢な措置を取った。大関朝乃山の不祥事に対しては手心を加えない厳しい処罰を下した。その上で大相撲開催を目指す方向を堅持し、東京への会場変更や観客数制限などのきめ細かい対応を行った。
今場所初め、日本相撲協会の八角信芳理事長はあいさつで「全力士は厳しい感染予防を行いながら毎日の稽古の成果を発揮し、本年最初の本場所にふさわしい白熱した相撲でご期待にお応えする」と述べた。八角理事長は元横綱北勝海で、現役時代は堅実で突進力のある取り口が魅力だった。
さらに「日本の伝統文化である大相撲を通して世界中に感動を届けることができるよう努力する」と。見事な訴えだった。さまざまなイベントを開催する上での手本となろう。

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