上昇気流(2022年1月8日)

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスの第6波が到来した。ここは再び、ワクチンの出番か。そう考えると、気がかりなことがある。コロナ禍が丸2年続くというのに、いまだ国産ワクチンがない。日本の神々も案じておられよう。

わが国の医療の始まりは大国主命(おおくにぬしのみこと)。因幡(いなば)の白兎がワニをだまして海を渡ろうとしたが、気づかれて丸裸にされ、海水を浴びたため皮膚がただれ、痛み苦しんでいた。命は真水で兎の体を洗い、炎症を抑える効果がある蒲の花粉を塗って治した。

大国主命と全国を巡って国造りを施したのが少彦名命(すくなひこなのみこと)。土壌改良や肥料などの農業技術を広め、病気を治す薬として酒造りを普及。温泉を用いた治療も教えた。愛媛県の道後温泉はその一つ。医薬の祖である(末廣謙著『医療の日本史』)。

豊臣秀吉は大坂築城に当たって薬種商を集め、薬問屋の街をつくった。大阪市中央区の道修町(どしょうまち)だ。江戸期には京都・五条天神から少彦名命の分霊をお迎えし「少彦名神社」が造られた。

入り口には狛犬ならぬ虎が鎮座し、お守りは「張り子の虎」。文政期に流行ったコレラの薬として虎の頭骨などを使った丸薬が評判となったのが「虎」の始まりだという。

道修町には薬品会社の本社がずらりと並ぶ。塩野義、武田、大日本住友、田辺三菱……。いずれも薬種商の流れを汲む。これだけあるのに国産ワクチンができなければ、文字通りの張り子の虎。「寅年にこそ実現を」と神々はおっしゃるだろう。

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