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彼らだけの祝宴


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 今年6月4日投開票の地方選挙で民選6期の地方自治時代が開かれる。1995年に地方自治体の首長を住民が選ぶ民選地方自治制度が本格的に導入されて今年で20年。住民の、住民による、住民のための政治、草の根民主主義の種を撒(ま)いて(十年一昔だから)早くも山河が2度も変わったが、まだ根を下ろしただけで花は満開とはいえない。「無知だ」などと言われるのが嫌で口をつぐんではいるが、大金を使ってどうしてこんな選挙をやるのかという思いもなくはない。

 時代は変わったが「地域住民の考えと心を伝える作男」「住民の足を拭ってあげる地域の働き手」を自任する彼らの頭の中は昔のままだ。住民生活の質の向上と地域発展の先頭に立つといいながら、いまだに道路を造り、地下鉄を引き入れ、不動産を開発するという耳当たりのいい公約が乱舞している。交通費を安くするためバス料金をタダにするという、ご機嫌取りの約束も出ている。住民の目と耳を引き付けようとあがいているのだろうが、有権者を見くびる発想だ。むやみに印鑑を押しまくると、(財政難を招いた)龍仁《ヨンイン》市の軽電鉄や仁川(インチョン)駅と月尾島(ウォルミド)を結ぶ銀河レール(モノレール)のようなものがあちこちに造られないかと今から心配だ。

 不正を働いても利益を得ようとする者たちが少なくないことが一目で分かる。故郷の蔵のカギを預けると、十中八九、財産を浪費してしまう人間が少なくない。実力不足の政治屋が学閥・地縁・血縁を辿(たど)り政党の看板を掲げるたびに、有権者は苦々しい思いになる。自分が出した税金の分だけでも戻ればという思いが切実だ。「~してあげます」という約束よりも「~します」という約束を聞きたい。

 セヌリ党がソウル市長候補の公認問題で騒がしい。“朴心”(朴大統領の意向)をめぐる論争でごたごたしていたが、予備選挙方式に不満を持った金滉植(キムファンシク)前首相が“ストライキ”に入った。予備選挙への不参加もちらつかせている。党の規定通りにすればいいのに、あちらこちらの顔色をうかがううちに自分の首を絞めるようになった。ソウル市民の目には、誰に投票するかも決まってないのに勝手に祝宴の準備をしているように見える。ソウル市長候補の予備選挙のイベントで大いに盛り上げようとしたのに、逆にひんしゅくを買うことになりかねない。今度の地方選挙も真の地方自治の元年にするのは難しいようだ。

(3月29日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。