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コロナ禍が生む食料難と支援の現実ーブラジルから


地球だより

 記者が散歩のコースにしている公園で、定期的に食事を配給している女性たちがいる。食料支援のNGO(非政府組織)から来ている人たちで、貧困地区を中心に食事や食料品キットを配布している。

 記者が見掛けた公園は、昨年末に新規に追加された場所で、新型コロナウイルス禍で食料難に遭っている人々を支援していた。

 記憶では、数カ月前よりも食事を求める人の列が長くなっている。NGOの人に聞いてみると、貧困の拡大と食料難に陥る人の数は、記者の想像をはるかに超えて増えており、支援が間に合わないのが実情だというのだ。

 このNGOでは、食事の配給だけでなく、米や油、大豆など必需食料品がセットになったキットを貧困地区の家庭に配っている。スポンサーとなっているのは、地元スーパーやさまざまな企業で、新型コロナが流行する前は、食料を保管する倉庫の確保が困るほどの支援が集まった。

 ところが、コロナ禍で状況が一変した。支援を求める人々が増える一方で、ブラジルを襲った経済危機はNGOを支援する人々や企業を直撃、食料在庫も尽きかけている。

 ブラジルの多くのスーパーでは、出入り口に「食料に困っている人のために」と書かれた大きなコンテナが置いてあり、米などを寄付できるようになっている。NGOの説明を聞いた記者は、「なるほど、寄付はあのような形で届くのか」と実感できるようになり、食料を多めに購入してコンテナの中に入れるようにしている。

(S)