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オーストリアで交番削減に反発


地球だより

 オーストリア内務省は今年、全国の警察の交番(駐在所)の数を削減していく意向だ。モットーは“現代的な警察”だ。ヨハンナー・ミクルライトナー内相が1月28日公表したところによると、特別州のウィーン市を除く8州にある811カ所の交番・駐在所のうち、122カ所を閉鎖する。人口最大のウィーン市(2010年9月時点168万人)に対しては、2月末までに詳細な計画を決定するという。

 内務省の交番閉鎖計画が公表されると、予想されたことだが、多数の交番が閉鎖されるケルンテン州やブルゲンラント州の知事から「閉鎖案は受け入れられない」「州民の安全を脅かす」といった批判の声が上がった。

 これに対し、ミクルライトナー内相は「交番・駐在所を閉鎖しても国民の安全は脅かされない」と強調し、「事件が発生すれば、昔は交番まで駆け付けて助けを求めたが、今日、大多数の国民(約98%)は携帯電話で警察に連絡する。時代の変化に応じて警察機構も編成し直す必要がある」と理解を求めている。

 内務省の計画では、交番・駐在所閉鎖で浮いた人材は「犯罪の現場や担当地域の監視などに投入される。また、コンピューター犯罪、サイバー犯罪に対して対応できる専門家の育成など、警察官の専門教育に力を入れていく」という。

 現在92カ所の交番・駐在所を持つケルンテン州では近い将来、22カ所が閉鎖される予定だ。カイザー同州知事は「近くの交番が無くなれば、次の交番まで5キロ以上離れている所もある。州民の不安は大きい」と述べ、内務省の閉鎖計画に強く反対している。

(O)