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食べてはならぬ“猛毒”屋台ータイから


地球だより

 日本の食生活に体が慣れ切っているためか、タイでは時に、食あたりでとんでもない目に遭遇することがある。

 昔、昼食時に食べたレストランのオイスターオムレツにあたったことがある。大体、海鮮類は傷みやすいし、海老(えび)や貝などであたると結構ひどいことになるから気を付けていたものの、火が入っているから大丈夫だろうと甘く見てしまった。

 小さなカキがいっぱい入ったオムレツで人気メニューなのだが、この日に入った店の加熱処理が十分ではなかったようで、腹痛に小一時間悩まされた覚えがある。

 なおタイの屋台でヒョウモンダコが串焼きになって売られていたというのを目撃した知人もいる。ヒョウモンダコはフグ同様、猛毒を持っている。フグは毒がある肝臓などを除去すれば美味な食材となる。ヒョウモンダコも毒のある唾液腺などを処理すれば、食べられなくもないのだが、命を張って食べるほどの価値があるようにはとても思えない気味悪い文様をしている代物だ。

 店を出している側に決して悪意があるわけではなく、あるのは知識の欠落だけだ。食べ物屋からすれば客の命を危険にさらす致命的な事柄なのだが、知らなかったのか陳列されていたという。

 ちなみにヒョウモンダコの毒は、数分で絶命するほどの猛毒とされる。このため、ゲデモノ料理にも列せられてはいけないものだ。それが屋台に並ぶ脇の甘さがタイ社会らしいとはいえ、客は用心が必要だ。

(T)