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習主席に毛沢東の呼称「舵手」、権力基盤強化の一環か


ビル・ガーツ氏

ビル・ガーツ氏

 国内で権力固めを進める中国の習近平国家主席は、かつて毛沢東に使われ、最高権力者を意味する「舵手」という呼称を自らに付けさせていたことが、米情報当局者の証言で明らかになった。

 国防情報局(DIA)のスコット・ベリエ長官は先月下旬、上院軍事委員会での公聴会の準備書面で、中国共産党中央委員会の昨年10月の会合で習氏の地位について重大な変更があったと指摘、「会合のコミュニケは、党内で唯一の政治的地位を習氏に与えたようだ。毛沢東以来使われてこなかった『舵手』という呼称を与えることを宣言した」と明らかにした。

 中国共産党創設メンバーの一人、毛沢東の別名の中で最もよく知られているのが「偉大な舵手」であり、この呼称を使用することは、習氏の下で共産党支配をいっそう強化するための計画の一環とアナリストらはみている。

 ベリエ氏は、この会合で、ハイテク産業の育成の強化がうたわれ、「中国は重要な戦略的好機の中にあると中国政府は考えている」と指摘した。

 中国の政治リスク専門コンサルタント「シノインサイダー」の上級アナリスト、ラリー・オング氏は、「毛から『借りる』ことで、権力の権威を高めようとしている」と述べ、舵手の呼称の使用は習氏の権力固めの一環との見方を示した。

 習氏は2012年に中国共産党総書記、中央軍事委員長に就任、最高権力の地位に就いた。当初は5年の任期を2期務めるとみられていたが、18年に党の規則を変更して任期制限を撤廃、長期にわたる支配体制を継続する道を開いた。

 任期制限は鄧小平が、毛沢東のような独裁者の出現を防止するために設けたものだ。

 トランプ前政権で対中政策の立案に携わったマイルズ・ユ氏は、「習主席は、筋金入りの共産主義者」であり、反対する者はことごとく排除し、全体主義的な体制の構築を進めていると指摘している。

 オング氏によると、習氏はこれまで、江沢民・元国家主席の「上海閥」、胡錦濤・前国家主席の「団派」の2大派閥の競合相手を排除してきた。オング氏は、「(総書記)就任から9年、習派が台頭していると言える」と指摘、「習氏が3期目、4期目を務めれば、習派による体制支配を可能にする基盤ができる」と述べた。