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フィリップ殿下の「ユーモア」ーオーストリアから


地球だより

 英国のフィリップ殿下の葬儀が17日、ロンドン近郊ウィンザー城内の聖ジョージ礼拝堂で執り行われた。筆者も2時間余りの葬儀式典をオーストリア国営放送を通じてフォローした。

 エリザベス女王とフィリップ殿下(99)は73年間、共に歩んできた。海軍出身の殿下は公務では女王の2、3歩後ろから歩かなければならないが、家庭に戻ると、「主人は殿下だった」という。賢明な女王は殿下の主人ぶりを快く受け入れてきたという。殿下はある晩餐会で「夫婦生活を支えるのはやはり相手に対する寛容だ」と述べている。

 英国国民は73年間、女王と共に歩んできた殿下に対し、「われわれの女王を常に世話して大切にしてくれた」として尊敬を払っている。殿下と会った人々は等しく「ユーモアのある殿下だった」という。殿下のユーモアは多分、公務の連続で疲れた女王の心を解す瞬間でもあったのだろう。

 米小説家マーク・トウェインは「ユーモアの源泉は喜びではない。苦しさや寂しさからだ」と述べている。貧しい貴族出身の家庭に生まれた殿下が生き延びるために学んできたのはユーモアだったのだろう。殿下のユーモアは時には物議をかもした。殿下は女王に「われわれの子供たち夫婦はなぜ離婚するのか」と悩みを吐露していたという。チャールズ皇太子、アンドルー王子、アン王女の夫婦が離婚し、破綻していったことが辛かったのだろう。

 エリザベス女王は宮殿関係者に「コロナ禍のため公務が少なくなったので、殿下と一緒の時間を多く持つことができた」と語っている。

(O)