世界日報 Web版

蔓延するワクチン不信ーフランスから


地球だより

 新型コロナウイルスのワクチンを接種するべきかどうかがフランスで熱い議論になっている。

 英アストラゼネカ製ワクチン接種後に10人以上が死亡したものの、因果関係が確認されていない。実際にワクチン接種の希望者は減っているという。

 筆者の周辺でも日本人を含め、多くが「ワクチンを打つつもりはない」と言っており、ベジタリアンの友人などは「ワクチンには有害物質が入っているといううわさがある」と接種を拒否すると言いだす始末だ。

 昨年12月の世論調査で接種する、あるいは積極的に接種を検討すると答えたのは全体の40%にとどまっていたが、今年3月1日の調査では59%に上昇した。ところが3月にアストラゼネカ製ワクチン接種で血栓が発見されたことから不信感が高まった。さらにはワクチン陰謀説も拡散され、接種を急ぐ政府は頭を悩ませている。

 英BBCの独自調査によれば、フランス語で極端なワクチン忌避を共有するSNSのフォロワー数は、2020年に約320万人だったが、今年3月には約410万人に増加した。「政治と製薬会社の利権が絡み、治験が大幅に省かれた」「ワクチンは遺伝子(DNA)を改変させる」などの説がSNS上で行き交っている。

 政府や製薬大手への強い不信感もワクチン忌避の一因と指摘されている。さらにはマクロン大統領が、中露は自国産ワクチンを覇権拡大に政治利用していると陰謀説を増幅させる発言も行っており、不信が渦巻いている。

(A)