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食用昆虫国際市場デビューーベトナムから


地球だより

 東京・渋谷のパルコに昆虫食レストランが出店して、話題になったことがある。ベトナムの首都ハノイ市ダイラー通りには、もっと古い人気の昆虫食レストランが存在する。

 メニューは、日本人にもなじみのあるイナゴから、ムカデやサソリ、ヤモリといった強精剤まがいのものまで多種多様だ。

 フランスの植民地だった時代があるベトナムでは、表面は固いが中はもっちりしているフランスパンなどが街角の所々で売られていて、味も結構いける。そうした欧州の食文化が根付いている一方、東南アジアのローカル色が強い昆虫食が命脈を保っている。

 そもそも東南アジアのローカルマーケットには、各種の昆虫を売る小さな市場があったりする。これらの青空マーケットの特産品は、バッタにコオロギ、イナゴなどだ。人々は「バッタ市場」などと呼んでいる。タイ東北部のイサーンやラオスなどでは、セミも人気食材の一つだ。

 なお欧州連合(EU)はこのほど、ベトナム産食用昆虫の輸入を正式に許可した。すでにカナダやスイス、韓国、タイなどが、EUに食用昆虫を輸出しているが、ベトナムはこれら4カ国に次ぐ5番目の昆虫食輸出国にデビューした格好だ。

 国際連合食糧農業機関(FAO)が近年、食料問題の切り札としての昆虫食について報告書を発表するなど関心が向く中、ベトナム産昆虫がどれだけ市場を握ることになるのか注目される。

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