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コロナ禍でクリスマス縮小ーフィリピンから


地球だより

 フィリピンといえば9月から始まる世界最長のクリスマスシーズンで有名だが、今年はコロナ禍によって前代未聞の静かなクリスマスとなっている。

 マニラ首都圏マカティ市の金融街では、公園にお洒落(しゃれ)なイルミネーションが毎年点灯され、インスタ映えスポットとして人気を集めていたが、今年はコロナ禍により中止に追い込まれた。

 この一帯はコールセンターなどのオフィスも多く、24時間眠らない街のイメージだったが、夜になるとほとんど人通りもなくなるありさまだ。

 この時期には買い物客でごった返すはずのショッピングモールも、ロックダウン(都市封鎖)に伴う長期の休業で客足が遠のき、以前の活気とは程遠い状況のままだ。経済的な疲弊もあるが、人々の生活スタイルが完全に変化した感じだ。世界最長と言われるロックダウンを実施したにもかかわらず、依然として新型コロナウイルス感染は収束しない状況で、国民は経済的にも心情的にも疲弊している。

 政府もこれは理解しており、12月に合わせ未成年者のショッピングモールへの外出や夜間外出禁止の時間短縮を認める方針を打ち出すなど、少しでもクリスマスを楽しめる環境へと心遣いも見せている。とはいえ、この時期に集団感染が爆発的に広がる懸念もあり、10人以上が集まるクリスマスパーティーを禁止するなど国民に油断しないよう念を押すことも忘れてはいない。政府は伝統の尊重と感染対策のバランスに苦慮している。

(F)