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与党の詭弁競争?


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 詭弁(きべん)の辞典的な意味は「理論的に相手に勝つため、思考を混乱させたり感情を激昂させて嘘(うそ)を真実であるかのように見せかける論法」だ。ちょっと聞くともっともらしいが、論理や理知に合わないごまかしだという意味だ。ソフィストを除いて詭弁を語ることはできない。ソフィストは紀元前5~4世紀のアテネを中心に古代ギリシャで活動した哲学者兼教師たちのことだ。

 ギリシャがペルシャ戦争で勝利した後、アテネはギリシャの中心地として確固たる地位を占めた。民主主義が満開となり教養水準と法廷での演説が重要となった。出世したり裁判で勝とうと弁論術を学ぶ人たちが押し寄せるようになって、ソフィストの収入は自然と高くなった。彼らはお金をもらって大衆に語る技術を教えた。ソフィストは最初は賢者といういい意味だったが、後に目的達成のために詭弁を弄する輩(やから)という悪い意味に変わった。

 東洋でも詭弁家たちがいた。紀元前3世紀、中国戦国時代の趙の思想家、公孫竜が代表的な人物だ。彼は「白馬は馬にあらず」と主張した。馬は形、白は色を示す概念であり、色というものは形を示すものではないので、(二つの概念からなる)白馬は(一つの概念だけでできた)馬ではないという論理だ。

 最近、与党側からソフィストや公孫竜顔負けの詭弁が競争するかのように出てきている。与党寄りのラジオパーソナリティーは「コロナ事態は大邱事態であり、新天地(教団)事態だ」と語った。(与党)共に民主党の青年委のある政策委員は「大邱は損切りしてもいい」としながら、「民主党を支持する他の地域は安全で、文在寅大統領に対する信頼がいっそう強まった」というコメントをインターネットコミュニティーに書き込んだ。

 新型コロナウイルス拡散が「中国から来た韓国人が主要原因」だという保健福祉部長官(閣僚)や、「国民の86%以上が(新天地教団)家宅捜索の必要性を要求している」という法務部長官(同)の主張も五十歩百歩だ。与党系の比例代表用の連合政党に参加することは、(与党の)衛星政党を結党することとは違うという民主党一部の論理は奇怪だ。

 詭弁が単純な言葉遊びに終われば大きな問題ではない。笑い飛ばせばそれまでだ。政府と与党の責任ある人々が感染病防疫の責任を薄めようという意図であるなら、話は違ってくる。無責任で危険な言葉だ。

 (3月10日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。