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奢ったり奢られたり


地球だより

 新型コロナウイルスの影響で最近は飲食店も客足がパッタリ途絶えてしまったが、もともと韓国人は大の会食好きだ。時代が変わったとはいえ、日本ほど割り勘(韓国でも「ワリカン」と呼んで同じ意味で使われる)文化が発達しているとは言えず、筆者も会食の前に必ずといっていいほど「きょうは奢(おご)り役か奢られ役か」を気にすることになる。

 年上から誘われたときはまず奢られ役、遠方に行った先でも「わざわざ遠い所から来たので」と言われて奢られることが多い。逆に相手が年下や女性なら当然こちらが奢らなければという義務感に駆られるし、前回奢られた相手なら「今回は私が奢ります」と宣言して相手の精神的負担(?)を軽くしてあげるマナーが必要だったりする。

 しかし、こうした基本原理通りにいかないこともある。先日、これまで何度も奢られてきた年上の相手に夕食に誘われた。知らされていなかった知人と称する女性も加わり、3人で焼き肉を頬張りながら一杯始まった。

 日頃からお世話になっていたので、この日はどうしても奢りたいと思ったが、こちらが勘定すれば相手に怒られるのは目に見えている。そこでトイレに行くと言い残してその場を離れ、こっそり勘定を済ませた。

 最後に店を出る時、勘定が終わっていることを知った相手は「なんで勘定なんかするのか!」と大声を出しながらも、こちらの思いを推し量ってくれたのか満面の笑み。年長者を奢る作戦は無事成功し、胸をなでおろした。

(U)