世界日報 Web版

弔いは賑やかに


地球だより

 懇意にしている韓国の友人が闘病中だったお母さんを亡くし、その葬儀に参列した。訃報はスマホ向けメッセンジャーアプリを通じた「母親の喪」を受信して知ったが、こちらは病院に葬儀場が付設されている場合が多く、その案内が地図付きで送られてくるのだ。一般的に「3日葬」と言って亡くなった日から3日目に埋葬を行うため、知らせを受けた人は出棺日時を確認し、その前に弔問しなければならない。

 弔問客は遺影に向かってひざまずいてお辞儀する「クンジョル」を終えた後、大広場に移って縁故のある遺族とあいさつを交わしたり、話し込んだりするが、筆者が訪れた出棺日前日の夜は弔問客でごった返していた。ざっと100人以上はいただろうか。テーブルを挟んですぐ目の前の人の話もよく聞こえないほどで、「こうして賑やかにする方が故人も喜ぶ」(知人)のだという。アルコールも入り、酔って歌いだす人がいたのには驚いたが。

 圧巻だったのは部屋の外から聞こえてきた「アイゴー、アイゴー」(韓国語の感嘆詞)と泣き叫ぶ声。一瞬にして会場はシーンと静まり返った。聞けば声の張本人は故人とは幼なじみだそうで、さぞかしショックを受けたことだろう…と思いきや、少し時間がたつとケロリとした顔で周囲と談笑し始めた。知人いわく「今はあんなふうに泣き叫ばないのに」。確かに多少演技っぽかったが、弔いムードを高めていたのは間違いない。

(U)