学校部活動の地域移行と未来テーマに「イマチャレコンベンション23春」開催

子供の選択肢広がり新たな価値創出も

静岡市教育委員会の早川泉参事

市としての新しい試み「シズカツ」展開

早川 泉氏

2023年度から本格的に開始する中学校の休日部活動の段階的地域移行を控え「いよいよ始まる部活動の地域移行私たちはどんな未来を目指すのか?」をテーマにしたイマチャレコンベンション23春がこのほど、オンライン配信で行われた。イマチャレとは2021年にスタートしたプラットホームとなる製作委員会。読売新聞、学校教材会社エデュシップ、筑波大学アスレチックデパートメントの3者が将来の学校スポーツをつくる上で課題解決に向けた組織。後にスポーツ庁、経済産業省が加わり、各種企業、有識者が参加、全国約2000の市町村教育委員会など関係者がイマチャレの会議などに参加している。活動に積極的に取り組みを見せているイマチャレ・チャレンジシティとして静岡県静岡市教育委員会の早川泉参事と高知県黒潮町教育長の畦地和也氏の現状報告が行われた。(太田和宏)

◇◇◇

静岡市は県中部に位置する人口69万人の政令指定都市。

スポーツも盛んでサッカー、バスケットボール、ラグビー、卓球、ソフトボールの五つの種目で七つのホームタウンチームがある。市としても、スポーツを柱とした街づくりを推進している。

中学生の学校部活動には課題も見えている。平成元年に3万人余りいた中学生が平成28年に1万6000人余と半減、令和4年1万4566人へと減少を続けている。学校数は変わっていないので、各学校の規模が小さくなっているということ。

これにより、各学校の部活は部員不足、指導者不足が顕著になり、部活動の休廃部が進み、子供たちの選択の幅が狭められている。

改革に当たって、それぞれの関係者に意義あるものになるよう、大切にしたい価値について最初に確認した。その中でも①子供たちにとって、学校規模や家庭状況に左右されることなく、スポーツ、文化、芸術に親しめる機会を保障する②活動を通して社会性や主体性を育む人間的な成長の場とする③共働き家庭や核家族化が進む中でも、中学生にとって有意義な場所にしたい――という3点を大切にしている。

意義ある環境の構築に向けて新しい部活「シズカツ」を試みている。学校管理下の活動ではなく、市の事業として、学校の枠組みを超えた活動拠点を市内全域に展開することを目指している。近隣校でグループをつくり、エリア内の誰でも参加できるチーム編成をする「エリア制」を導入。指導者には活動に賛同する地域人材や教職員や教職経験者を想定、一定の研修を受け技術的にも教育的にも子供たちが専門的な指導を受けられる体制を整備していく。選択肢の拡充、部員の確保、指導者の配置、教員の過重な指導体制など、これまでの課題が解決でき、子供たちは多様な大人から学んだり、地域との交流を深めたりすることができる。そして、地域の新たな価値創出にもつながる。

令和8年度までに、まずは休日に全市200部程度で開始する。5、6年間を検証期間として実施体制を整え、市を挙げて「シズカツ」に取り組んでいく。

spot_img