実践体験し即戦力の人材育成 札幌で「北海道高等学校商業教育フェア」

9月16、17日に札幌市内で開催 さ れ た「北海道高等学校商業教育フェア」
フェアの会場図と参加校が販売した主な商品のリスト(同左)

地方の過疎化が進む中、地域の人材育成は急務になっている。そうした中で実践力・即戦力を育成する職業高校への期待は年々高まりを見せるが、札幌市内でこのほど全道の商業に関わる学科で学ぶ高校生が集まり、それぞれの学校が地元の商品や企業と協力して開発した商品を紹介・販売する「北海道高等学校商業教育フェア」が開催された。(札幌支局・湯朝肇)

既存の地元商品・新規開発品を販売

あいさつや接客姿勢など学ぶ

「いらっしゃいませ。私たちの地元の商品や自ら考えたオリジナル商品を手に取ってみてください」――9月16、17日の両日にわたり、札幌市内にある商業施設の広場で開かれた「北海道高等学校商業教育フェア」(主催、北海道高等学校長協会商業部会)で高校生の声が鳴り響く。

同フェアは全道高等学校の商業科に関わる生徒たちが一堂に会するイベント。地元の町でつくられた商品や生徒が自ら考案し、地元の企業やボランティア団体などと協力して開発した商品の販売実践を通して学んでいくのが狙い。

すなわち「身だしなみから言葉遣い、接客マナーを一つ一つ点検し、販売することの大変さや喜びをしっかりと体験することが大事」(主催者事務局)という。ちなみに、フェアでは毎回、開会式に数人の女子生徒が壇上に上がりあいさつの練習を行う。「お辞儀は背筋を伸ばし、30度の角度で上体を倒します。手の位置は体の前で手を組み、おへその下あたりに置いてお辞儀をします。それでは生徒の皆さん、やってみましょう」といった基本的な所作も忘れない。

今回のフェアは今年で11回目。「伝える・広める・切り拓く~商業教育で未来を~」がテーマとなった。昨年、一昨年と新型コロナウイルスによる感染拡大で中止になったことから3年ぶりの開催となった今回のフェアには全道から前回より2校多い24校が参加し、220品目が並べられた。

このうち、帯広南商業高校は、地元の十勝地サイダー研究会が開発した「十勝地サイダー」を販売した。同研究会は地元の中小企業のメンバーが集まり、特産品を作ることを目的に2012年から十勝管内の地元産のサイダー、例えば、更別村のすももを使った「更別すももサイダー」や池田町産のぶどうを原料にした「池田しろぶどうサイダー」、広尾町の「広尾しおサイダー」など、10種類の地ビールならぬ地サイダーを開発販売してきた。

同校ではフェアで販売する商品選定については3年生の課題研究として授業で検討。「十勝の市町村で栽培した特産品を生かした地サイダーは、十勝を広めるいい発信資源になる」との理由で決定。同研究会と連携を取りながら9種類の地サイダーを売り出した。フェアには1年生で構成される購買局のメンバー6人が参加。購買局長の川村由奈さんは、「フェアは初めての経験ですが、精いっぱい頑張って売りたいです」と語っていた。

一方、道央に位置する下川町にある下川商業高校は、「とうもろこしうどん」を売り出した。元来、同町は日本最北の手延べ麺の里、北海道産小麦100%の手延べうどんの生産地として知られている。同校ではこれまで、この手延べうどんに着目し「ほうれん草うどん」や「お茶うどん」などさまざまな商品を考案してきたが、今回のフェアに当たって「とうもろこしうどん」の商品開発化に向けて取り組んできた。

地元産のトウモロコシのエキスをうどんに練り込ませた一品でとうもろこしの風味がほんのりと漂う。同校では今年7月には地元で販売実習会を展開、そこで「とうもろこしうどん」への住民の反応は体験済みだ。

今回のフェアで同校3年生の女子生徒の一人は「下川町の手延べうどんを知ってもらうと同時に、今回のフェアで私たちが考案した『とうもろこしうどん』を購入していただき、おいしさを知ってもらいたい」と語る。

地域の人口減少で高等学校の学級減や統廃合が進む中で、商業高校をはじめとする職業学校もまた、その例外ではない。それでも職業学校の地域貢献は年々活発になっており、地域住民からの期待も高まっている。とりわけ地域情報の発信や独自の商品開発、地域連携の構築促進を担う商業学校の役割は大きいものがある。

spot_img
Google Translate »