ソフトバンク・サービス企画本部の星川智哉部長
子供たちが主体的に会話する機会増える
イマチャレコンベンション23春がオンライン配信で行われ、特別セッションとして「ICTによる部活動改革の可能性」と題してソフトバンク・サービス企画本部の星川智哉部長が講演した。以下はその要旨。
学校部活動の地域移行と未来テーマに「イマチャレコンベンション23春」開催
ソフトバンクではスポーツ教育にDX(デジタルトランスフォーメーション)、教育関係者の間ではICT(情報通信技術)化と言った方が馴染(なじ)みがあると思うが、スマートコーチというものを推奨している。子供たちが自ら学習できるサービスを提供している。
少子化、指導者の不足、未経験な教師が顧問、という課題をスマートフォン一つで如何(いか)に解消できるかに取り組んでいる。
1年前にサービスを開始し、1年かけて全国22の事例でスマートコーチを生かし、共に競争しながら、取り組んできた、成功事例を紹介する。
部活動の地域移行という話とセットで活用するという団体が多くなってきた。大阪の事例だが、指導者がいないケースで、体育大学の学生が指導員として今後期待される、という取り組みをしている。
その指導の際にタブレット端末やスマホの画面を見ながら、良いところ、悪いところを子供たちと共に確認しながら練習するという具合にDXを使用している。
名古屋市のケースでは、指導員が不足している練習現場で2カ所同時に部活動を指導することができることを実証している。1カ所の体育館で指導員がいるが、同じ時間にやっている他の体育館に指導者がいない場合、練習が成り立つのかを実証した。横浜の小学校では、体育祭の催しでソーラン節の群舞の練習に使えないかとアイデアを出し、使えることを示した。
ICTを使う子供たちにアンケートをしたところ、満足度が高く、もっと上手(うま)くなりたい、自主性を育みたいという、向上心を育むことに着目している。指導者が一方的に「あれやれ!」「これやれ!」と指示を出すような場面でも、スマホやタブレットを囲んで、子供たちが主体的に会話する機会が増えている。
スポーツが好き、部活動が楽しい、という反応も見られた。ICTを使う前と取り入れた後の比較をすると、「練習の仕方を自分から考えた」というように、主体的に取り組もうとする姿勢が見られた。
一方で課題も見られた。楽しいけれど、ICTを使った練習を継続してできる仕組みが足りていないかな、とも思われる部分があった。そこで、従来通り、自分で練習メニューを設定して、練習をする「画像記録ノート」というソフトを作った顧問もいた。子供たちの探究心が旺盛になり、成長を感じられるような取り組みも見られた。
(太田和宏)