世界日報 Web版

山田寛の国際レーダー rss

紛争で子供の犠牲が増大、でも世界は鈍感になっている

 グテレス国連事務総長は8月、「子供(17歳以下)と武力紛争」年次報告を安保理に提出した。昨18年の状況をまとめたものだが、「世界20カ国で条約と議定書の重大な違反(戦火による殺傷、子供兵士の使用、性的暴力、拉致、学校や…

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慰安婦、徴用工の像より 原爆の子の像を広げたい

 8月、ソウルの日本大使館前の「慰安婦少女像」を訪れ、奇妙な落ち着きを感じた。  訪韓する度に見てきたから、大使館風景の一部として眼(め)にとけ込んでしまったのか。  慰安婦像は、韓国内と米国、中国、ドイツなど8カ国・地…

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アフガン和平、女子教育禁止の再来を許すな

 私は大学での国際問題の講義で、教育に対する暴力の問題をよく取り上げた。その際、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンにより、通学途中に酸を浴びせられた17歳の女学生の写真を見せた。  1996年に首都を奪取したタ…

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韓国との関係、文体制と市民を区別しよう

 ソウル市民の日本人対応が知りたくて、8月中旬UPF会議参加で訪韓した際、街を歩いた。日本語の市街地図を目立つ様に持ち、ザ日本人旅行者丸出しで地下鉄に乗り、日本大使館に近い安国駅周辺を歩き回った。  地下鉄車内で立ってい…

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ヌオン・チアと母 革命は家族と宗教に負けた

 1970年代のカンボジアで超過激共産主義革命を実践したポル・ポト政権のナンバー2、ヌオン・チア元共産党副書記が今月初め93歳で病死した。  ポル・ポト革命は、国民150万人以上を直接、間接虐殺した暗黒革命だった。ヌオン…

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トランプ発言を機に 米兵の命と家族にも思いを

 トランプ米大統領が、日米同盟破棄は否定したものの、安保条約が片務的で不平等だと強い不満を述べた直後に始まった参院選挙戦。だが世論の関心も政党の議論のテーマでも、外交・安保は2000万円以下だった。  安倍首相の改憲論に…

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米国の国連人権理事会復帰が必要だ

“人権”理事会の立て直しへ  「国連人権理事会は人権侵害者の防壁だ」として米国が理事会を離脱してから1年。先日、中国の人権派知識人、滕彪(テンビャオ)氏の話を聞いたが、彼も「中国や人権落第国が頑張る理事会では、有益なこと…

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日本ももっと批判しよう、世界各地で続く“小天安門”

 非暴力デモが暴力で弾圧され、多数の死傷者が出続けている。  直近ではスーダンだ。今月初め、首都の国軍司令部前などに座り込んだデモ隊が銃撃され、120人以上が死亡、500人以上が負傷、40遺体がナイル川に投げ込まれたとい…

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韓国メディアよ、自己批判もしながら頑張れ

 韓国メディアも最近急に日韓関係を心配し、文在寅政権の日本無視を批判し出したが、政府批判と同時に自省もしてほしい。  私は新聞記者時代、韓国人記者に親近感を持っていた。40年前のタイ駐在時、金さんという、日韓併合下で育ち…

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ゴルファー比率と経済 米人種間格差が縮まらない

 先月、ゴルフの祭典、マスターズ・トーナメントで14年ぶり5度目の優勝をしたタイガー・ウッズ選手は今月、トランプ大統領から民間人への最高の勲章を授与された。米フォーブス誌の「’18年の米国で最も裕福なセレブ」…

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自爆テロ犯とは違う、特攻隊員の名誉を守ろう

 神風特別攻撃隊で戦死した若者たちの霊がさぞ嘆いているだろう。kamikazeが自爆テロとその犯人を表す名詞として、また大量に用いられたからである。  先月21日にスリランカで起きた同時多発テロ。「イスラム国」(IS)に…

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国民との近い距離 新天皇・皇后両陛下へのご期待

 令和初日。私も新天皇・皇后両陛下へのご期待の気持ちを記したい。アジアの代表的王国、今週末に新国王の戴冠式を挙行するタイと15年前に現国王が即位したカンボジアを引き合いにして論じたい。  平成の天皇・皇后両陛下について最…

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SNSにのって、いま少女たちの運動が広がる

 少女たちが頑張っている。  先月15日、125カ国で100万人という大学生、高校生らが「学校スト&街頭デモ」に参加した。気候変動対策促進を訴える「未来のための金曜日」運動。「今行動するか、将来(広がった海で)泳ぐか」と…

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正恩氏が軽自動車に乗る日

北の子がアフリカの子に並ぶ  国連の北朝鮮常駐調整官が先月、北朝鮮人口の43%が食料・水不足だとし、約134億円の緊急人道援助拠出を訴えた。直後、国連北朝鮮制裁専門家パネルが、北の広範な経済制裁逃れを指摘し、金正恩朝鮮労…

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世界で増す民族浄化

日本も条約に加入すべきだ  世界の自由度調査で定評のある国際NGO「フリーダムハウス」が先月発表した19年版報告によれば、13年連続で自由と民主主義が後退した。  209の国・地域の「政治的権利と自由」度を100点満点で…

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中越戦争以来、覇権主義的巨人中国が育った

 40年前の今、1979年2月17日~3月16日、中国軍がベトナム最北部に侵攻し中越戦争が戦われた。もしその戦争で中国が勝っていたら、中国軍は今これほど強大になっていなかったかもしれない。  ベトナムは78年11月にソ連…

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トランプさん忘れないで、北の生物・化学兵器の脅威も

 来週ハノイで開かれる第2回米朝首脳会談の結果は、日本にも吉と出るか。いや懸念の方が倍も大きい。  会談成功を誇示したいトランプ米大統領の前のめりが気になる。「北朝鮮に核放棄の徴候はない」と、米情報機関や軍の責任者、国連…

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弔い合戦の歴史戦、北方領土の主権は譲れない

 先日、中村登美枝さん(92)の訃報を受けた。  2次大戦終戦の1945年、19歳の中村さんは朝鮮北部に侵攻したソ連軍に追われ、朝鮮最北端から10カ月かかり38度線にたどり着く。途中で両親が死亡、3~16歳の孤児12人(…

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国際メディアにあふれ続ける 「強制」「性奴隷」「奴隷労働」

 仏誌ルモンド・ディプロマティクの最新朝鮮特集号を読み、考え込んでしまった。「国際有力メディアでこうなら、歴史戦の壁は本当に高いな」  同誌は定評ある国際問題誌だ。特集号は20世紀初め以来の半島の歴史を、27の小論文でた…

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極貧人口増加、アフリカで米国が中国に挑む

 飢えてガリガリのナイジェリアの子供たちの写真。一昨年のGDP(国内総生産)が約3760億㌦でアフリカ1を誇る経済・産油大国の子供とは思えない。  国際貧困モニター研究機関「世界貧困時計」によれば、ナイジェリアは昨年、極…

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18年の国際関係、ショックだった言葉

 今年の国際関係の中で、衝撃を受けた六つの言葉(群)を並べたい。  ①6月の米朝首脳会談の際のトランプ米大統領の金正恩・朝鮮労働党委員長への賛辞は大衝撃だった。「率直」「立派」「有能」「賢明」「民を愛している」「誰にも反…

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ブッシュ父大統領の米国、勝ち誇らない外交の力

 先日94歳で死去したブッシュ父41代米大統領。その在任時に駐米記者だった私なりの思いをつづりたい。あの時代、米国は東西冷戦終結と湾岸戦争勝利で自信と誇りを取り戻したが、ブッシュ氏は誇っても勝ち誇らない外交大統領だった。…

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移民問題タブー視をやめよう

出入国管理法改正に賛成だが  外国人労働者受け入れ拡大のための出入国管理法改正案に対し、「拙速」との批判が左右から出ている。だが、少子高齢化社会の助っ人集めと、技能実習、留学、難民申請などを名目にした“ゆがんだ”就労横行…

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