社説

【社説】能登豪雨被害 復興へ道路寸断まず解消を

元日の地震から復興途上にある石川県・能登地方を豪雨が襲った。7人が亡くなり、2人が行方不明、連絡が取れない人も複数おり、孤立した集落もある。行方不明者の捜索、孤立集落の解消を急がなければならない。

【社説】新幹線連結事故 原因究明急ぎ安全意識高めよ

東北新幹線上り線の古川-仙台間で、走行中のはやぶさ・こまち6号(17両編成)の連結が外れ、緊急停車した。

【社説】日本人男児殺害 不十分な説明は容認できない

中国南部・広東省深圳市の日本人学校に登校中、男に刃物で襲われた日本人の男児が死亡した。なぜ、無辜(むこ)の男児の命が奪われたのか。日本人が襲撃される事件が相次ぐ中、中国当局の情報開示や再発防止への措置が不十分であることは否めず、強い憤りを禁じ得ない。

【社説】中国の挑発 総裁選で抑止力強化の議論を

中国海軍の空母「遼寧」が沖縄県・与那国島と西表島の間の接続水域を航行した。8月には長崎県・男女群島沖で中国軍機による領空侵犯、鹿児島県・屋久島周辺では海軍艦艇の領海侵入が起きている。いずれも日本の安全を脅かすもので許し難い挑発だ。自民党総裁選の各候補は、抑止力強化に向けた議論を活発化させる必要がある。

【社説】トランプ氏警護 暗殺犯から米大統領選を守れ

米大統領選挙の共和党候補であるトランプ前大統領が、再び暗殺未遂事件に巻き込まれた。逮捕された男はロシアの軍事侵攻を受けるウクライナを支援する活動に携わっていたが、どのようにしてトランプ氏のスケジュールを把握したのかなど不審な点が残る。捜査の進展が待たれるが、選挙まで2カ月と迫る中での大統領候補暗殺未遂は極めて遺憾であり、警護を一層強化して大統領選を暗殺犯から守らなければならない。

【社説】被爆体験者 援護法の理念に基づく対応を

国が定める被爆援護対象区域の外で長崎原爆に遭ったため被爆者と認定されていない「被爆体験者」44人(うち4人死亡)が、県と市に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟で、長崎地裁は原告15人への手帳交付を命じる判決を下した。被爆体験者は高齢化が進んでいる。判決を機に、政府は救済を急ぐべきだ。

【社説】NHK尖閣発言 国益損なう「放送乗っ取り」

NHKのラジオ国際放送の中国語ニュースで、中国籍の外部スタッフが沖縄県・尖閣諸島を「中国の領土」と発言した問題を受け、総務省はNHKに文書で注意する行政指導を行った。まさに「放送の乗っ取り」であり、国益を損ないかねない事態だ。NHKは再発防止を徹底しなければならない。

【社説】敬老の日 “現役”意識が日本支える

きょうは敬老の日。平均寿命が延び、「人生100年」も夢ではなくなる一方、高齢化によるさまざまな問題が表面化し、将来へ不安を投げ掛けている。国民一人一人が長寿の恩恵を受けられるよう、発想の転換、制度の見直しが必要になっている。

【社説】兵庫県知事 公益通報封じた責任は重い

兵庫県の斎藤元彦知事が、自身のパワハラ疑惑の告発文書を作成、配布した職員を公益通報者保護法に基づく保護対象としなかったとして批判を浴びている。通報者が不利益を受けないことは、よりよい県政の実現にも欠かせないはずだ。県のトップが法に反して職員の声を封じようとしたのであれば、その責任は極めて重い。

【社説】自民総裁選告示 国家目標掲げ戦略を競え

岸田文雄自民党総裁(首相)の後継を決める総裁選が告示された。過去最多の9人が27日の投開票に向けて選挙戦を展開する。新総裁は党のトップであり次期衆院選の「党の顔」になるだけでなく、首相に任命されることも確実だ。「政治とカネ」の問題など党のけじめ・再生策にとどまらず、国家目標を明確に掲げそれを実現するための戦略・戦術を明らかにして競ってもらいたい。

【社説】日豪閣僚協議 日米同盟補強する対中抑制力

オーストラリアで日豪外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)が開かれ、中国の「力による現状変更」に強い反対を表明し、共同抑止力の強化、安全保障政策の緊密化などを盛り込んだ共同声明を発表した。日米同盟に加え太平洋の域内大国である豪州との連携を強化し、太平洋地域の民主主義を守り、共産党独裁体制の中国の影響力を抑制していくべきだ。

【社説】アフガン撤退3年 テロ防止も重要な政策課題

米軍のアフガニスタン撤退から3年が経過した。撤退完了の直前に首都カブールの国際空港近くで大規模な自爆テロが発生し、米軍兵士13人を含む100人以上が死亡した。

【社説】立民代表選告示 現実的で責任ある議論を

立憲民主党の代表選が告示された。野田佳彦元首相、枝野幸男前代表、泉健太代表、吉田晴美衆院議員の4人が立候補し、23日の投開票まで論戦を繰り広げる。

【社説】日韓首脳会談 揺るぎなき関係改善は道半ば

岸田文雄首相が訪韓し、韓国の尹錫悦大統領と首脳会談を行った。今月の自民党総裁選後に退任する首相にとって関係改善の流れをより確かなものにし、次期首相にバトンタッチする「最後の実績作り」という意味もあっただろう。だが、安心はできない。韓国側には歴史認識問題を巡る尹氏の方針に不満や批判がくすぶり、関係改善を手放しに喜ぶムードが広がっているとは言い切れない。

【社説】北極政策 西側諸国は関与強化を急げ

気候変動の影響で海氷融解が進む北極圏で、中国とロシアが連携を深めている。中露両国の影響力が拡大すれば、西側諸国にとって大きな脅威となる。日米両国などは北極圏への関与強化を急ぐ必要がある。

【社説】プーチン氏不逮捕 法の支配を強化する外交を

ロシアのプーチン大統領がモンゴルを訪問した。1939年に旧日本軍と旧ソ連軍が戦ったノモンハン事件(モンゴルではハルハ河戦争)の85周年記念式典に合わせ、プーチン氏を招聘(しょうへい)したことによる。国際刑事裁判所(ICC=赤根智子所長、加盟124カ国)が逮捕状を発布している「戦争犯罪」の容疑者プーチン氏に、モンゴルは加盟国の逮捕義務を国内で果たすことができなかった。安全な国際秩序づくりに向け、より実効性のある法の支配の国際的な枠組みを整備しなければならない。

【社説】PIF首脳声明 「台湾」削除を訂正し元に戻せ

島嶼(とうしょ)国など18カ国・地域から成る太平洋の地域機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」が中国の圧力に屈し、首脳会議で採択した首脳声明から台湾との交流を再確認した部分を削除して更新版を公表した。オブザーバー参加国でありながら自国の国益を押し付けてPIFの自律性を歪(ゆが)める中国の影響力の浸透が懸念される。

【社説】防衛費概算要求 勤務体制改革にも予算投入を

防衛省は2025年度予算の概算要求を決定した。防衛力の抜本的強化を掲げた整備計画の3年目に当たる来年度の要求額は、過去最大の8兆5389億円が計上された。防衛力の強化に当たっては、22年に改定された「国家防衛戦略」及び「防衛力整備計画」において、宇宙・サイバーなど領域横断作戦能力や、機動展開能力・国民保護など重視すべき七つの分野が示されたが、今回の要求もそれに沿った内容となっている。

【社説】大谷選手新記録 進化続ける異次元の存在

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が、またもや野球ファンを驚かせる快挙を成し遂げた。メジャー史上初のシーズン「43本塁打、43盗塁」の達成だ。パワーとスピードを兼ね備えた大谷選手だからこそ樹立できた記録だと言える。

【社説】辺野古移設 地盤改良を着実に進めよ

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、防衛省沖縄防衛局が軟弱地盤のある大浦湾側の区域で護岸造成に着手した。辺野古移設は普天間飛行場の危険性除去と抑止力維持のための唯一の選択肢だ。着実に地盤改良を進める必要がある。

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