トップ文化

文化の最新記事

最新記事一覧

小泉八雲「見えない日本」を見た人 畑中 章宏著【書評】

 ラフカディオ・ハーンの来日は明治23年で、29年に帰化して小泉八雲と名乗り、『怪談』などを著して37年に54歳で没した。

「中国」という捏造 ビル・ヘイトン著、小谷 まさ代訳 【書評】

 「中国はどのような国になろうとしているのか?」こうした問いから本書は始まる。この国の成長を商取引や投資のチャンスと捉える風潮がある一方、不安を抱かないものは少ない。

内村鑑三を読む140 『ロマ書の研究』② 全世界を幾度も改造した書

『ロマ書の研究』は60回に及んだ連続講演が基になっている。毎回、弟子の畔上(あぜがみ)堅造が筆記し、加筆して、『聖書之研究』に掲載。畔上の文章なので内村は共著として出版するつもりだったが、結局、共著とはしなかった。

日本最古の会堂 神戸シナゴーグ ユダヤ難民を救った小辻節三 中継地としての役割果たす【宗教思想】

神戸市中央区北野町に、関西に住むユダヤ人の拠点である神戸シナゴーグがある。1937(昭和12)年に設立された日本最古のシナゴーグ(会堂)で、第2次世界大戦中にはユダヤ人難民受け入れの拠点として機能した。

「武装中立」掲げた継之助 記念館ではガトリング砲展示ー司馬遼太郎『峠』

幕末の越後長岡藩士、河井継之助(かわいつぎのすけ)(1827~1868年)の生涯を描いた司馬遼太郎の歴史長編小説『峠』は、それまでほとんど無名に近かった地方の一藩士にスポットを当て、彼の名を一躍世に知らしめた。

東京っ子の72年グラフィティ 坪内祐三『一九七二 「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 【昭和100年を読む】

 1970年代初め日本社会の空気が大きく変わったという実感を評者(藤橋)は常々持っていた。評論家の坪内祐三(1958~2020年)の『一九七二「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』(文春学藝ライブラリー)の第一回「なぜ、この年なのか」を読んで我が意を得た思いがした。

日本人と鹿の文化史的な関係 つま恋、寂しさなど感情移入 『万葉集』『古今和歌集』に詠まれた鹿

〝奈良の女〟高市早苗首相の自民党総裁選での演説で、改めて注目される奈良公園の鹿を見てきた。東大寺周辺には人懐っこい鹿に鹿せんべいを与えて喜ぶ外国人観光客であふれていた。人が野生の鹿にこのように身近に接することができる場所は世界でも珍しい。鹿はインバウンド観光の主役となっている。

武蔵野の戦争遺跡/東京都武蔵野市 中島飛行機工場が爆撃照準点に 爆撃機B29による9回の空襲

今年は終戦80年。11月24日は「武蔵野市平和の日」で、記念イベントやパネル展などが開催された。「武蔵野の戦争遺跡を訪ねる平和散策マップ」(武蔵野市観光機構)もあり、これを参考に中島飛行機武蔵製作所のあった所を訪ねてみた。

神秘的美しさ、湖面と山々に癒やし 御座神社と辰子姫像ー田沢湖(秋田県仙北市)

春夏秋冬、伝説に彩られ神秘的な美しさをたたえる田沢湖を車で半周した。国内外の人たちと会話の時間を楽しむ。意外と面白かったのが「思い出の潟(かた)分校」。周辺にはスキー場や多彩な温泉と楽しみが多い。

「地球の歩き方 ハプスブルク帝国」【書評】

 とうとうこのテーマの本が出版された、これが私の第一声であった。日本の大学では欧州各国史が主流なので、このテーマの講座はない。ご苦労様でしたと言いたい。

「中国に媚びるな」石 平・金 文学共著【書評】

 二人の著者が中国の国民性を主題にして日韓中の文化の違いを論じた対談集。対談はテーマを決めて8回行われ、月刊『WiLL』(2024年11月~25年5月号)に掲載された。

『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる』 佐藤 優著 【書評】

 背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され有罪確定になり、さらに「余命」宣告を受けるなど、波乱万丈な人生を生き抜いている評論家・佐藤優氏による定年後の人生の手ほどき本だ。 

新興宗教の弾圧と盛衰 高橋和巳『邪宗門』を読む 壮大なスケールで描く長編小説

39歳の若さで他界した天才作家・高橋和巳の『邪宗門』は、国家から不当な弾圧を受ける新興宗教団体の盛衰を、文庫本にして1200ページの紙幅を割き、壮大なスケールで描いた長編小説だ。

江藤淳著『閉された言語空間 占領軍の検閲と戦後日本』【昭和100年を読む】

 なぜ日本には日本人でありながら反日的思想を持つ人が少なからずいるのか。

戦後80年 吉村昭の戦史小説/三鷹市吉村昭書斎 戦争回想に違和感 『戦艦武蔵』『殉国』を紹介

東京都三鷹市に三鷹市吉村昭書斎がある。京王井の頭線の井の頭公園駅から徒歩3分の所で、線路沿いにある。

トキ保護70年の歩みを凝縮 村本義雄さんの歌集『ニッポニア ニッポン』 トキ愛と観察眼、率直明快に

国の特別天然記念物トキの初の本州での放鳥が来年6月、石川県羽咋(はくい)市で行われる。その日を心待ちにするのが、70年間にわたりトキ保護活動を続け4月に100歳となった羽咋市在住の村本義雄さんだ。

「マタギ」のルーツ【東風西風】

日本には「マタギ」という鹿や熊の狩猟を生業(なりわい)とした猟師集団がいる。高齢化などで人数を減らしながらも東北地方を中心に活動している。

第38回東京国際映画祭 華やかに 184作品上映 約10万人が来訪

第38回東京国際映画祭が10月27日から11月5日にかけて有楽町、日比谷、銀座を中心に開催された。今や季節の風物詩となった日比谷屋外無料上映会には、仕事帰りや観光客らが足を止め見入る姿も。上映作品184作品。約10万人が訪れた。

「過去と思索(7)」ゲルツェン著 西欧の大変動の終焉を見る 【書評】

近代ロシアの知識人は国家の改革を推進するために西洋の知識と技術を学んだ。

外国人だから気付く特徴 「日本語教師、外国人に日本語を学ぶ」北村 浩子著 【書評】

 日本を訪れる外国人が増え続けている。観光地を巡ったり、美味(おい)しいものを食べたりするだけでなく、日本の文化、伝統を学び、その背景にある日本語に興味を持ち、学び続ける外国人もいる。

「コメ壊滅」 山口 亮子著 適正な価格形成は可能か 【書評】

 農水省出身の鈴木憲和農相は就任後の記者会見で、「価格はマーケットの中で決まるべきもの」と断言し、同時に現状で購入できない国民には、お米クーポンなどの対応が考えられるとした。

敵役も光った仲代達矢【東風西風】

俳優で文化勲章受章者の仲代達矢さんが92歳で亡くなった。仲代さんは、舞台と映画両方で活躍し、主役でも敵役でも存在感のある演技を見せた。  スター性より演技の実力で勝負した。そんな経験があるから若手俳優養成を目指した「無名塾」で役所広司などの実力派俳優を育てることができた。

「奇跡の平安遺跡群」国指定へ 秋田県で構想膨らむ 十和田大噴火でパック保存

米代川(よねしろがわ)流域の奇跡の遺跡群として、秋田県の北東部、大館市比内町の「片貝(かたがい)家ノ下(いえのした)遺跡」が注目を浴びている。日本最大級と言われる西暦915年の十和田火山の巨大噴火によって未曽有の火山泥流が流れ込み、まるで時が止まったかの状態で平安時代の建物や田畑がパック(埋没)された。日本にはこれ以上の遺跡は存在せず、関係者はまず「国史跡指定」を目指し動いている。

ルーヴル美術館窃盗事件の衝撃 責任のなすり付け合い 遅れる真相解明 銀行より緩いセキュリティー【フランス美術事情】

ルーヴル美術館の「アポロンの間」に10月19日に強盗が侵入し、ナポレオン時代の王冠の宝石など8点が、7分間で白昼堂々盗まれた。事件を受け、マクロン仏大統領も巻き込んだ非難の応酬が続いている。事件の世界的注目度は、同じパリで2019年に発生したノートルダム大聖堂火災を上回るとまで言われている。

孤独な心癒した尾道の風光 『東京物語』誕生の背景にもー志賀直哉『暗夜行路』前篇

 『暗夜行路』は、「小説の神様」志賀直哉が25年近い歳月をかけて完成させた唯一の長編小説である。祖父と母親の間に生まれた不義の子という暗い宿命を背負う主人公・時任謙作が、その宿命に抗(あらが)いながら生きていく姿を描いている。

杉森久英著『昭和史見たまま 戦争と日本人』 戦争を望んだ広汎な声 「国民は被害者」の史観否定 【昭和100年を読む】

 本書は昭和48年から49年にかけて月刊誌『自由』に連載され、50年に読売新聞社から刊行された。著者の杉森久英は、『天才と狂人の間』で昭和37年に直木賞を受賞した伝記小説の名手。

日本遺産になった香川県多度津町 北前船で交易と信仰の玄関口に 江戸後期、金毘羅参り盛んに【宗教思想】

香川県多度津町は令和元(2019)年、日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間 ~北前船寄港地・船主集落~」に追加認定され、文化財12点が日本遺産に登録された。

『ロマ書の研究』① 望みを実現させた講演会

再臨運動の後、内村鑑三の社会的活動の中心は聖書講演会となる。会場は大手町の大日本私立衛生会。「それは東京市の中央、内務省正面前、近くに宮城を千代田区の丘に仰ぐ所」。ここで行ったのがモーセの十戒、ダニエル書、ヨブ記、そしてロマ書の講演だった。

遊行寺と共に発展した街 意外と知られていない歴史ー湘南・江の島の玄関口(神奈川県藤沢市)

今年もあとわずか。この季節になると、年始の風物詩、箱根駅伝の話題が少しずつ人々の口に上ってくる。その箱根駅伝の中でも難所の一つが「遊行寺(ゆぎょうじ)の坂」だ

植田正治写真美術館開館30年『夢見るカメラ』 代表作と愛用のカメラ展示

出生地である鳥取県境港市を拠点に独特の表現で世界的に活躍した写真家、植田正治(1913~2000年)の作品を収める伯耆町(ほうきちょう)の植田正治写真美術館では、開館30年特別企画展『植田正治 夢見るカメラ』が開かれている。
人気記事
Google Translate »