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1~3月期GDP、内需の弱さ改めて浮き彫りに


 喜べぬどころか、逆に心配が深まった――内閣府が発表した2019年1~3月期の国内総生産(GDP)である。

 実質年率2・1%のプラス成長は、輸出以上に輸入が減少した計算上の結果で、実態はそれだけ内需の弱さを浮き彫りにした。下降局面入りしたとも指摘される景気は、米中貿易摩擦激化の影響が今後下押し要因としてのしかかる。10月に消費税増税を実施するには環境が一段と厳しくなりつつある。

消費と設備投資が減少

 実質で前期比0・5%増、年率では2・1%増のプラス成長――1~3月期のGDPは、マイナス成長としていた民間シンクタンクの予想を上回る良好な数値だった。

 しかし、何のことはない。GDPを算出する便宜上、今回のように輸出の減少以上に輸入のそれが大きいと外需がプラスとなり、成長率を押し上げる形になる。

 1~3月は米中貿易摩擦の影響で輸出が、中国向けなどが落ち込んで2・4%減となったが、輸入は原油や天然ガスを中心に4・6%減と、リーマン・ショック後の09年1~3月期(16・0%減)以来となる10年ぶりの大幅減となった。内需がそれだけ振るわなかったということで、先に「喜べぬどころか、逆に心配が深まった」と見たのも、このためである。

 その内需だが、二本柱の個人消費と設備投資はともにマイナスだった。GDPの過半を占める個人消費は、前期比0・1%減。暖冬の影響で衣類の販売が振るわず、自動車も伸び悩んだ。一方の設備投資は同0・3%減。日銀短観でも示されている通り、米中摩擦の動向など先行きが見通しにくい状況の中で積極的な投資を手控える動きが強まっているためである。

 それでも、内需の寄与度が0・1%のプラスになったのは、公共投資が18年度補正予算の執行により1・5%増と大幅に伸びたからで、住宅投資も若干寄与した。成長率を押し上げた外需の寄与度は、0・4%プラスである。

 茂木敏充経済財政担当相は会見で「内需の増加傾向は崩れていない」と強調したが、「(景気)全体の姿は見た目の数字より悪い」(内閣府幹部)と認めざるを得ないのが実情で、むしろ景気は実質的に悪化したと見る識者も少なくない。

 今後であるが、今年4月以降の経済指標には一部持ち直しの動きも見られるものの、やはり、関税引き上げの応酬となり激化の様相を見せている米中摩擦の動向や、それが企業や消費者に与える影響、中国経済の状況などが鍵となってこよう。

 内閣府は3月の景気動向指数で、景気の基調判断を後退局面入りの可能性が高いことを示す「悪化」へと引き下げた。政府が今月24日に発表する月例経済報告で、これまで「緩やかに回復している」としてきた景気判断を下方修正するかどうか。

増税の実施判断は慎重に

 10月に消費税増税を実施するかどうかは、政局とも絡む情勢となってきているが、日本経済の実態からは、既に下降局面入りとの指摘もある中、とりわけ慎重な判断が求められる。