2009年3月30日
ハイブリッド車
どうやって走るの?
「パラレル」など3方式/低価格と税優遇で普及加速か
新ハイブリッド車「インサイト」を発表するホンダの福井威夫社長=2月5日、東京都内のホテル
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綾 最近、安いハイブリッド車が発売されたみたいだね。

父 ホンダが二月に売り出した最低価格百八十九万円の新型「インサイト」(排気量一三〇〇t)のことだね。唯一二百万円を切る手ごろな価格設定と燃費の良さ、ひと目でハイブリッド車と分かる外観が人気を集めているみたいだね。受注台数は当初の目標を大幅に上回り、二月の発売から約一カ月半で二万台を突破したそうだ。

綾 ハイブリッド車といえば、トヨタが「本家」という感じだけど。

父 そうだね。ハイブリッド車市場で圧倒的なシェアを握るトヨタも、主力の「プリウス」を全面改良した新型を五月中旬に投入し、インサイトを迎え撃つ構えだ。排気量は現行型の一五〇〇tから一八〇〇tに大型化し、加速面などで走行性能をアップさせる一方、ガソリン一リットル当たりの走行距離は現行型の三十五・五キロから約三十八キロにまで伸ばし、インサイトの三十キロを大幅に上回る。
価格も当初想定より引き下げ、最低価格は現行型より三十万円程度安い二百五万円前後に抑える予定だ。現行型も装備を簡素化した上で、最低価格をインサイト並みに下げて販売を継続するようだ。

綾 今のハイブリッド車は、ガソリンエンジンと電気モーターを併用するタイプが主流だと思うけど、みんな同じなの。

父 同じハイブリッド車でも、トヨタとホンダでは方式がちょっと違う。
ホンダ・インサイトは、“主役”のエンジンをモーターが補助する「パラレル方式」と呼ばれるタイプだ。従来の自動車にモーターとバッテリーなどを追加するだけのシンプルな機構のため、より軽量に造ることができ、コスト面でも有利だ。
一方のトヨタ・プリウスは「シリーズ・パラレル方式」を採用している。モーターとバッテリーのほか「動力分割機構」や発電機などもあるため、構造がより複雑でコスト高になる傾向はあるが、電気で走行する割合が多く燃費性能に優れている。
それ以外に、エンジンで発電機を駆動し、発電した電力でモーターを回して走行する「シリーズ方式」というのもある。

綾 それで、実際に走る時はどうなるの?

父 ホンダのインサイトを例に見てみよう。
停車時は、エンジンとモーターの両方とも停止している状態で、ブレーキを離すと自動的にエンジンが始動する。発進時は、低回転でも力を発揮するモーターがエンジンを上回るパワーでアシストし、燃費を抑えながら力強く加速。低速走行時は、エンジンの燃焼を休止させてモーターだけで走行し、高速走行時はエンジンの燃費が良くなるため、今度はモーターを休止させて電力を節約する。減速時は、エンジンの燃焼を休止させ、惰性で回るタイヤのエネルギーをモーターで電気に変えてバッテリーを充電する――と、こういう具合になっている。

綾 技術の進歩はすごい。そんな“未来のクルマ”が普通に街角を走るようになったんだから。

父 昨年の国内新車販売台数は三十四年ぶりの低水準に沈んだけれど、ガソリン高騰が追い風になったこともあってハイブリッド車の好調は続き、販売台数は前年比26・8%増だった。
今年は、新型モデルが相次いで登場して低価格競争が激化しているのに加え、エコカー購入者に対し自動車取得税などを減免する措置が四月に導入される。ハイブリッド車の普及が一段と加速することになりそうだ。
(三笘義雄)
(本紙掲載:3月29日)