2009年3月16日
WBC2次ラウンド
侍ジャパン連覇のカギは?
機動力生かした攻撃/不可欠な投手陣の踏ん張り
1次ラウンドで韓国にコールド勝ちし、ハイタッチで迎えられるイチローら=7日、東京ドーム(UPI)
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綾 いよいよ、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンドが始まったね。

父 綾はあまり野球に関心なかったはずだが、いつから野球ファンになったんだい?

綾 野球ファンというわけではないけど、WBCは別よ。だって、イチロー選手や松坂大輔投手ら大リーガーを含めた日本の一流選手が「日の丸」を付けて、世界一に挑戦するわけでしょう。ぜひ、日本には優勝してほしいわ。

父 大リーガーが参加しなかった五輪とは違い、WBCは真の世界一を決める大会と言えるね。それに金メダルが期待された北京五輪では、残念ながら日本は銅メダルも取れなかった。その鬱憤を晴らしてほしいと思っている国民は多いだろうな。
日本は初代チャンピオンに輝いたのだから、あの時の感動を再び味わいたいと、野球ファンならずとも願っているだろう。綾もその一人というわけか。

綾 そうよ。特に、今は不景気で暗い世相だから、ぜひ連覇して、日本を明るくしてほしいわ。

父 綾のように、日ごろは野球にあまり関心のない人でも、試合を楽しみにしているのだから、WBCをスタートさせたメジャー・リーグ・ベースボール(MLB)機構の狙いはある程度成功していると言えるな。

綾 ところで、今回の大会では、連覇を狙う日本のライバルはどこの国なの?

父 2次ラウンドに進出したのは8カ国。そのどのチームも侮れない。あえて言えば、大リーガーが一人もいないオランダ、打線は強烈だが大味な野球をするメキシコが少し力は落ちるようだ。でも、優勝候補の一角と目されたドミニカ共和国が1次ラウンドで姿を消してしまったように、短期決戦の大会では何が起きるか、分からないのが野球。連覇を期待する気持ちは分かるが、決勝リーグに進む4チームに残るのも至難の業だ。前回大会だって、日本は2次ラウンドで韓国と米国に敗れて1勝2敗となり、準決勝進出が絶望されたが、メキシコが米国から金星を挙げたおかげで4強に入った。実力が伯仲している試合では、運も味方に付けないと、勝てない。

綾 1次ラウンドだって、一度コールドゲームで勝った韓国に、決勝では敗れて2位通過だったものね。勝ったり負けたり、野球って難しいわ。
2位通過になったおかげで、2次ラウンド最初の試合相手はキューバになったのでしょう。キューバは強いらしいわね。

父 そうなんだ。日本戦には、160キロの快速球を投げる左腕チャプマン投手の先発が予想される。打線も強力だ。それに前回大会で、決勝で日本に敗れているから、そのリベンジを果たすため、選手たちは相当気合いを入れてくるはず。もし、日本が初戦で、このキューバを破ることができれば、弾みが付いて決勝リーグ進出がかなり有望になってくるだろう。

綾 キューバに勝つカギは何かしら。運頼みじゃ、心もとないわ。

父 キューバ戦に限ったことではなく、対戦相手がどのチームでも言えることだが、まず投手陣が踏ん張って、相手を3点以内に抑えること。そして、日本がチャンスを迎えたら、走力を生かして盗塁したり、エンドランを敢行したりして機動力を発揮できれば、理想的な試合だな。外国チームは打線が強力だから、投手陣が崩れて大量得点されたら逆転するのは難しくなる。
前回優勝した時は、日本の機動力野球に対して、野球の本場、米国のメディアは「“ヤキュウ”がベースボールに勝った」と称賛したが、今回も豪快な大リーグ野球とはひと味違った日本野球の神髄を見せることができるか。連覇のカギはそこだろう。

綾 パワーの外国チームに対して、技で勝負というところね。

父 そこで心配なのが、滑りやすいボール。日本で使っているボールとは違って、この大会で使用するボールは滑りやすいそうだ。
日本の投手は微妙なコントロールに定評があるが、滑って甘く入ると、ホームランを打たれる心配がある。それから強打者が多いので、それを意識し過ぎて四球を出すのも禁物だ。
でも、大リーグのチーム相手の練習試合では2連勝して、日本チームの調子は上向きになっているようだ。2次ラウンド、そして決勝トーナメントで、侍ジャパンがどんなドラマを見せてくれるか、期待していよう。
(森田清策)
(本紙掲載:3月15日)