2009年2月2日
ソフトバンクモバイル
新サービスは「当たり」?
「コンテンツ重視」も/求められるインフラの充実
ソフトバンクモバイルは、新機種発表会で、月額315円で26サイトが使い放題になる「コンテンツ得パック」を発表。モニターを携帯のカメラで撮影する吉本芸人たち=1月29日、東京・有楽町の東京国際フォーラム
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綾 世界初のダブルワンセグ、かぁ〜。

父 綾、何を独り言を言っているんだい?

綾 新しい携帯電話が発表されたでしょ、そのニュースを見てたの。

父 ああ、携帯の春モデルか。父さんはこの前に機種変更したばかりで、お母さんが怖……、いや、しばらくは控えておこうと思ってたから、あまり注目はしていなかったんだけど。

綾 それはいつものことじゃない。ところで、去年の「iPhone(アイフォーン)3G」みたいな目玉らしい目玉が特に無くて、何だか拍子抜けなところもあったけど……。ソフトバンクモバイルは芸人さんで発表会を盛り上げていたようね。

父 ソフトバンクモバイルの発表会か。発表された端末は、ダブルワンセグのほかはカシオが参入したぐらいで、あとは従来の機種のバージョンアップ、といった程度の印象だったかな。確かに、iPhone3G以来、秋冬モデルは指で画面をタッチして操作するタッチケータイが増えてなかなか面白かったんだけどね。

綾 ふーん。でも私は機種はともかく、気になったのは、ソフトバンクの「コンテンツ得パック」ね。月に三百十五円で、二十六の有料サイトを利用できるようになるっていうのよ。「ええー」って思わず声出しちゃった。あと、芸人のネタ動画を見て投票してチャンピオンを決める「S−1バトル」? 賞金総額二億二千万円だなんて、ずいぶん羽振りがいいというか、こんなことやって大丈夫なの?

父 どちらも携帯電話によるコンテンツ利用の拡大を目指すものだよね。今回孫社長がアピールしたのは、携帯電話機というハードじゃなくて「コンテンツ」だったわけだ。携帯電話機そのものは、前も言った通り、割賦販売方式採用で売れにくくなってしまっている。相当インパクトのある端末を用意するか、二年縛りを何とかするとかしないと、厳しいだろう。新規契約についても、ソフトバンクが昨年一番伸ばした(二百三十八万六千三百件)が、それは通話がお得にできるホワイトプランと、二台目需要によるものが大きく、ARPU(一契約当たりの平均収入)は低い。
そこで、今回のようなコンテンツで勝負しようということになるわけだ。音声通話は、イーモバイルが通話定額の基本料を七百八十円に値下げすると発表したし、通話料は下がる一方。データ通信をいかに伸ばすか、というわけだ。それにもともと孫社長は「ケータイがインターネットマシン化する」って言っていたわけだしね。ただ、コンテンツ得パックでは、提供業者の利益をどれだけ確保できるか、そして優良なコンテンツをどれだけ集められるかが問われるだろう。

綾 コンテンツにどんどんアクセスさせるのはいいけど、通信は大丈夫なの? ほら、お父さんと夜電話してたら、十数分でいきなり通話が切れたりすることがあるじゃない。

父 うん。地域によるところもあるかもしれないけど、話し放題になったことで、通信インフラを圧迫するようになったからだろうね。そして、実はデータ通信については、PC接続による通信が定額になっていないのがソフトバンクだけだという事実もある。
単純な仮定だが、S−1バトルやコンテンツ得パックをきっかけに新たに十万人がパケット定額利用をするようになったら、毎月四億四千万円の収入増だ。十分お釣りが来る。うまいこと考えたなと思うけど、インフラが持たないと「当たり」どころか、こけてしまいかねない。
トップページを有料化すると一度発表して撤回する騒ぎになったこともあるし、サービスを改悪しなくてもいいように、基地局の整備などはもっと充実してほしいと思うユーザーは少なくないだろう。父さんもそう思う。ぜひともインフラはしっかりさせておいてもらいたいね。
(河合将喬)
(本紙掲載:2月1日)